NOVEL
1

ゾロとオレ以外誰も居ない静かなサニー号のキッチン。

船番のオレ達はただ今、二人きりで遅い昼食を食っている。

それ自体はそんな珍しい事ではない。

オレ達の関係が公認になってからはどちらかが船番の時は二人で船に残るってのが仲間達の暗黙の了解になった。

おかげで思う存分ベタベタしてイチャイチャタイムを楽しんでる。

こんな男同士のバカップルを温かい目で見てくれてさ、アイツら本当にいい奴らばっかりだよな。

みんなにはすげぇ感謝してるよ。


今ゾロとオレは向き合いながら1つの皿を2人で分け合って同じ飯を食っている。


これも普段からよくある事。

ラブラブなオレ達は何でも半分こ。

だからちっとも珍しくはない。

ただし、これがテーブルを挟んで向かい合っていたのならばな…


今オレが居るのはゾロの膝の上。

椅子に座ったヤツに向き合う形で乗っかって飯を食っている。

それもさ…口移しでな。


なんでこんな状況になってるかは割愛するが、まぁあまり人様にお見せ出来る光景じゃねぇのは確かだ。


ヤツが皿からスプーンで自分の口に料理を運び、半分食い終わったらもう半分を口に含みオレの口に入れてくれる。

時にはそのまま舌を絡められたりして、口から飯が落ちねぇように必死でそれを奥歯の方に押し込めてキスに応える。

そんなんだからなかなか飯が進んで行かねぇ。

現にもう食べ始めてから小一時間経つのに、まだ料理は半分以上残っている。

だったらこんな事してねぇでさっさと食っちまえばいいだろとか言われそうだけど、そうもいかねぇのが恋人同士。

ヤツのこの嬉しそうな顔見ちまったら嫌とは言えなくなっちまう。

オレ達すっげぇ愛し合ってっからさ。

たまにはこんなのもいいかな…なんて思っちまうんだな。

まぁコレも惚れた弱みって奴だろう。

それでなくてもオレがこんな状態で止めろなんて言えるわけねぇよ。

だって…

…なぁ…

オレの、オレ達のこの格好見たら分かるだろ?


椅子に座ったゾロの上に向かい合って座るオレ。

…二人共下半身裸で…

いや、オレは上半身も何も身に着けてはいない。

所謂マッパってやつだ。

そんで…あのさ…

実はその………挿いっちゃってるんだな。

そりゃもう奥までズップリとさ。

何がって…ナニがだよ。


ぶっちゃけつまり、オレのナカにヤツのご子息がご訪問中って訳だ。


ゾロの息子さんがオレのナカに居座って、自分の存在を主張し続けて早一時間。

つまり飯食い始めてから今までヤツはずっとエレクトしっぱなし。

硬さもデカさもたぶんほぼ変わってねぇ。

ただ挿いってるだけなのにさ…

そう、アイツはただ挿れてるだけでオレは挿れられてるだけ。

決して動かず、ただただ繋がった状態で口移しで飯食ってるんだ。


実を言うと飯の前、真昼間からオレ達はキッチンのテーブルの上で激しいセックスに興じていた。

抜かずの4発目をフィニッシュした時点でそろそろ飯にしようと提案したオレに、このままで食おうとヤツが言い出して。

OKする代わりにその交換条件としてオレが『食い終わるまで絶対に息子さんには動かないでいて貰います』って約束させて今に至る。


でもまさか口移しのオプションまでついてくるとはな…

その上これは絶対卑怯だ。



こんなの想定外だよ……


もう最初から繋がってる所がジンジンしていた。

ナカのヤツの熱のせいで奥が疼いて疼いて仕方なかった。

本体がちょっとでも動くとナカの息子も同じく動いて、2人(?)してオレを翻弄する。


口移しされる度に

舌を絡められる度に

オレの身体はまるでジリジリと焼かれて行くように熱を帯びて行く。


それだけだって充分拷問並みにキツイのに、ヤツは時々わざと飯やソースをオレの身体に零して来た。

そして

「ああ悪いな。今キレイにしてやるからな」

なんて言いながらそれを舌で舐め取って行くんだ。


シチューを零された時なんか、それがオレの乳首に掛かっちまってその熱さに眩暈がする程感じて思わず喘いでしまった。


またその視覚がヤバい。

オレの乳首に掛かる白濁の液体。

モロ何かを連想しちまう。

ただでさえさっきあんだけヤツ(と自分)のソレを見たんだ。


一回目のすげぇ濃いのはオレが飲んだ。

そん時オレの口から飲みきれず零れた少量のソレが、口角から顎を伝い胸に落ちて行った。

その時の光景に今の自分の姿がオーバーラップする。


ヤツも同じ事を思ったのだろうか。

信じらんねぇ事にオレんナカの息子をもっとデカくしやがった。

『さっきまでだって充分過ぎる程人並み外れてデカかったのに、更に成長するなんてテメェの息子さんは限界ってもんを知らねぇのかよ』と心の中で悪態を吐きながらも、オレの身体は既に限度を迎えていた。


口移しで飯を食わせてくれようとしたヤツに『もう要らねぇ』と断って抱き着いた。

本当にもう色々と一杯一杯だったんだ。

正直まだ食えなくはなかったが、今のオレは腹のナカにあるヤツのデカいカタマリの方に食指が動いていた。


「ゾロ…上の口はもういいから今度はさ、下で食わせてくんねぇ?…テメェのデッカイ肉棒をさ。なぁ…お願い」

甘えるように言いながら、繋がってる部分を軽く締めクイクイ動かした。

次の瞬間、下からすげぇ力で突き上げられて。

「!!んあァーッ!」

たった一度の激しい突き上げ。

ただそれだけの刺激に、ずっと燻り続けていたオレの身体は異常な程反応し、ペニスからは大量の精液が噴き出した。

「オマエすげぇな。一突きでこれかよ。どんだけ我慢してたんだ。…そんなにオレが欲しかったか、サンジ?…今からたっぷり可愛がってヤるからな」

耳元で囁かれたと同時に激しい突き上げが始まり、オレは下の口一杯でヤツを味わい続ける。

「あぁ、ん…ハァ…テメェ、の肉棒すげ…うめぇよ、あ、もっと…もっと、食わせて、くれ、よ…」

「ッ!!このエロ小悪魔が!…そんなに食いたきゃ、食わせてヤるぜ!残さず食えよ!」


繋がったまま床に押し倒されて信じられない位奥の奥までめちゃくちゃに突かれて、恐怖感を感じる程のエクスタシーに身悶えた。

「…ッはぁ…どうだ、サンジ、オレの肉棒、そんなに、うめぇ、かよ…、ッ」

激しい律動を続けながら荒い息で切れ切れにヤツが問い掛ける。

そんな事聞かなくても分かってるくせに。

…だってオレのペニスからはずっと歓喜の涙が出っ放しだ。

オレのソコはもう既に後孔のナカを突かれる度に引っ切り無しにピューピューと精を飛ばし続けていた。

『イク』という感覚が麻痺して常に絶頂状態で怖い位だ。

言葉が出て来なくて、オレはただ懸命に首を縦に振ってヤツの問いに答えた。

「そう…か、素、直で…イイ子だ…ご褒美、にうめぇ、ミルク、たっぷり…クッ…飲ま、せて、ヤるよ!!」


その言葉通り、オレのナカの一番深い所に熱い熱いミルクが流れ出して来たのを感じた。

ヤツがミルクを注ぐ度ビクンビクンとナカの息子が痙攣して最奥にダイレクトに響く。

苦しそうな、それでいて恍惚な表情で最後の一滴までをも残らず注ごうとするヤツの顔を脳裏に焼き付けながら、オレは意識を手放した。


気が付くとオレはキッチンのソファーに座るゾロの腕の中に居た。


「…悪かったなサンジ。また無理させちまった。身体辛くねえか?」

優しく髪を撫でてくれていたヤツがオレに気付いて心配そうに顔を覗き込む。


『平気だ』と答えようとしたのに、大声で喘ぎ続けたオレは声が出せなくて咽せてしまった。

「大丈夫か?これ飲めよ」

背中を擦ってくれたヤツが、傍らから冷えた紅茶の入ったマグカップを渡してくれた。

まだ冷たいそれは、いつ気付くか分からないオレの為にゾロが用意してくれていたもの。

そんな優しい気配りがすげぇ嬉しかった。

なんか胸が一杯で、飲むのが勿体なくて直ぐには口に出来なくて。

ただジッとカップを握り締めるだけのオレにヤツは苦笑いしながらそれをオレの手からそっと取り上げた。

そしてオレの顎を片方の手で持ち上げマグカップの中身を自分の口に含み、お互いの唇と唇と合わせ、そこからゆっくりと少しずつ紅茶を注いでくれた。

ヤツの口内からオレの喉に流れてくる液体は冷たい筈なのに、心はじんわりと温かかった。


喉が潤い心まで癒されたオレは色々な思いを込めてヤツに微笑んで見せた。


「…ゾロ、ご馳走様でした」

今のオレなりの精一杯のコレに対してヤツは

「ああ、お粗末様でした」

甘い囁きと優しいキスをくれた。

そうしてオレ達二人は互いの額をくっつけ合って何故かいつまでもクスクス笑い続けていた。


《終》




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あきゅろす。
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