NOVEL
悪魔Ver.
コックは時々悪魔になる。
普段からアイツのエロさは小悪魔級だ。
オレを常に誘って来やがる。
それも無自覚だってんだからタチが悪い。
今朝だって朝からヤベェぐれぇの色気振り撒きやがって。
あれじゃあまるで、さっきまでオレとヤッてましたって宣伝してるようなモンだろ。
男共は勿論、ナミやロビンまでアイツの腰つき見てやがった。
まぁ確かに、数時間前までアイツはオレの上下で一心不乱に腰振ってたんだけどな。
その姿のエロい事エロい事!
ありゃ犯罪だぜ。
あのちっこいケツにオレのチンコを根本までズップシ咥え込みやがって、自分でイイトコに当たるようにグリグリ擦って。
オレの上で上下左右に揺れて貪欲に快感を拾いながら。
時折挑発するように、ナカのオレのチンコをキュッと締め付けやがる。
それも小悪魔スマイルに紅い舌で唇舐めながら。
我が恋人ながら恐ろしいぜ。
何より恐ろしいのは、これが全て無自覚だって事だ。
涙目で切なげにオレを呼ぶのも、時々まるで結合部を見せ付けるように足を上げるのも、ヤラシイ腰の動きも卑猥な言葉も。
セックスの最中ブッ飛んじまってるアイツには自覚がねぇらしい。
けどオレはずっと煽られっぱなしだ。
アイツの声の一つ一つに、動きの一つ一つに、血管がぶっ千切れそうなぐれぇ興奮して、ただ只管腰を振り上げ、アイツと自分自身を高みに導いていく。
アイツもオレの突き上げに合わせ我武者羅に腰を動かす。
結合部からはグチュグチュと淫猥な音が絶えず聞こえている。
オレがナカで放った5回分の淫水がアイツが動く度泡立てられた状態で流れ落ちてきて、床に広がっていく。
「あぁ…ん、は、ぁ…ゾ、ロ…キス…」
喘ぎの間から漏れる舌足らずなお強請りに応えるため、急いで上半身を起こす。
「!んあぁ…くっ、もっと、ゆ、っくり…」
オレが動いた事によりナカのオレの角度が変わったのだろう。
少し苦しげに、それでいて悩ましげに腰をくねらせ続けるこの淫らな恋人の唇にオレは思い切り噛り付いた。
何度も角度を変えて口内で愛し合いながら、オレ達は只管絶頂を求めて動き続ける。
アイツの動きが更に激しくなって息遣いがますます荒くなってきた。
ナカのうねりが一段とデカくなり、オレのモノをまるで引き千切ろうとでもするかのように絡み付いてくる。
オマエのナカはまるで意思を持っているようだ。
オレを捕らえて放すまいとするように妖しく纏い付き、オレを夢中にさせてソコから離れられないように、ソコ無しじゃいられねぇ程に狂わせる。
でもそんな名器以上に、持ち主であるオマエにオレは夢中になって離れられなくなっちまって、オマエ無しじゃいられねぇ程に狂わされちまった。
オマエは悪魔だ。
人の心を惑わし、理性や抑制なんて尽く奪い去っていく。
けれど、それさえ快楽に変えられてしまう。
悪魔に魅せられた者はただその魅力に取り付かれ、全てを奪われる。
残されたのは、凄まじいまでの情欲。
自分でも制御出来ねぇ程の強欲。
愛情という名の愛欲。
オマエは悪魔だ。
オレを惑わす淫魔。
危険だと分かっているが、今はただその肉欲に溺れていたい。
この目眩く耽美な悪魔との戯れに…。
オレだけの可愛い悪魔が与えてくれる、飛び切りの快楽に…。
《終》
〔#次〕
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