NOVEL
1

この広い世界にはすげぇ数のカップルがいて、その数だけ色んなセックスのスタイルがある。

男女間のノーマルな関係も、オレ達みたいな男同士のちっと特殊なのでも、大抵ヤる事ヤッてる奴らばっかりだから尚更だ。


現にアイツとオレだって色んな状況や場所でヤッた。

尤もオレ達は海賊で大抵船で生活してるから、場所ったってまあこの船の中の至る所か上陸した島々のそこかしこくれぇ。

宿は勿論、酒場のトイレや裏通りの袋小路、それから昼間はさぞや子供達で賑わっていたであろう夜の公園。

壁一枚挟んで民家、それも庭では子供が昼寝の真っ最中、なんてのもあった。

なんでそんな所でヤッたかはまあ置いといて、アン時は声殺すのに苦労したぜ。

ヘタすりゃ犯罪に成り兼ねねぇ。


まあヤッた場所は様々だが、オレ達のセックスには大きな共通点がある。

すんげえ激しいとか、必ず複数回するとか、愛あるセックスしてるとか。

そんな共通点もあるが、そういうことじゃなくて…

ズバリ…『体位』だ。

今までオレ達がして来たソレに大きな共通点があるんだ。

例にあげると正常位、騎乗位、対面座位に駅弁……

その共通点は…

相手の顔が見えること。

厳密に言うと、アイツがオレの顔を見れること。

いや、見えなければ駄目なんだ。


ハッキリ言ってアイツはオレのアン時の顔が好きらしい。

それも『超』がつく位に。

故にセックスの間、恥ずかしながらオレをガン見状態だ。

キスの間も時々目を開けている。


オレはいつも訳分かんなくなる位ブッ飛んじまうからアイツの顔見るどころじゃねぇが、偶に目が合っちまうとすげぇ恥ずかしい。

そんで顔反らすと間髪入れず向き直されてまたガン見。

その状態で荒々しく揺すぶられ奥までガンガン突かれて感じまくって。

そのオレの顔が更にアイツを煽るらしいが、オレは無我夢中で自覚がねぇ。

自分がセックスの間中どんな顔してるかなんて知らねぇが、アイツが言うには相当エロい顔で、アイツはオレのその顔を見逃したくないんだそうだ。

「自分がテメェをそんな顔にさせられたんだぜ。勿体無くて少しも見逃せるかよ」

そんなことを真顔で言うアイツにイタタマレないが、実はちょっぴり嬉しかったりもする。

アイツがオレとのセックスで、挿入というダイレクトな刺激以外でも興奮して気持ちよくなってくれるのが嬉しいんだ。

お互いすげぇ気持ちよくなれて、これぞ充実したセックスライフってやつだろう。


だから特に不満はねぇが、実はオレ、時には後ろからも抱かれてぇって思ったことがあった。




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あきゅろす。
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