NOVEL
1
「なあ、普通はみんな一度に何回位セックスすんのかな?」
ある日の事後、コックが唐突に聞いてきた。
コイツはまた何を言い出すんだ。
「さあな。そんなの知るか。なんでいきなりそんな事気にするんだ?」
「別に特に理由はねぇけど…。たださぁ、オレ達のセックスってちょっと異常なんじゃねぇかな。オレは他を知らねぇから何とも言えねぇんだけどさ…」
そうだ。
コイツはオレがハジメテの相手だった。
まあ多分処女だとは思ってたけど、まさか童貞だったとは。
オレは驚きを通り超して感動すらしちまった。
聞けばジイさんの躾が厳しくて、
"セックスは本当に惚れた相手が現れるまではしてはいかん"
と厳しく叩き込まれたらしい。
そんで"本当に惚れた相手"のオレが現れて晴れてセックス解禁。
無事処女喪失したのが約半年前。
コイツには悪いが、未だに童貞のままだ。
オレ相手の限りそれは一生捨てられねぇだろうな。
でもその分、違う場所ですげぇヨくしてやれてると自負してる。
さっきだって散々突っ込んでたっぷりイかせてやった。
他の奴らが何回ヤるかだって?
そんなの知らねぇよ。
オレ自身、今まで欲を吐き出す為の行きずりの行為しかした事がねぇ。
それは全て商売女相手だったから、溜まったモノ吐き出して終わり。
だから回数なんてほぼ一度だけだ。
それがコイツとそういう仲になってから、ヤバい位ヤッてる。
まぁ確かにコイツの疑問も仕方ねぇかもな。
今だってもうオレは既に6回中に出してる。
コイツはオレより遥かに多くイッた。
最後の数回はもう出るモノ出ねぇのにイかせちまったから、今日はいつもより長く気絶させちまった。
でもそりゃ仕方ねぇだろ。
だってコイツがあんまり良すぎるんだ。
顔も声もすげえクルんだぜ。
おまけにコイツのナカときたら!
オレを殺す気かって位イイ。
文字通り昇天しそうだ。
オレ達のセックスが異常だって?
ああ上等だ。
その異常ってやつを極めてやるよ。
オレは再びサンジの上に覆いかぶさっていった。
こうして元素人童貞と(正真正銘)現童貞の恋人達はその日、セックスの回数の自己最高記録を更新したそうです。
翌日コックさんが起きられなくなり、剣士さんが仲間達からお叱りを受けるのはまた別のお話。
《終》
〔#次〕
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