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サブ長編
用事ですか、委員長?
《平和とは、戦争と戦争の間の騙し合いの期間である。》

昔、そんな事を言った人がいたらしい。

要するに、いつでも気を抜かずに緊張状態を保っとけってこと。

それを初めて聞いた時は『無理に決まってんじゃん!』って思ったけど。

今は、言った人を讃えたい気分。

よくぞ言ってくれたねって。



何故私が意見をひっくり返したかというと、それにはあの人が絡んでくる。

ちょっと長くなるけど、お付き合いお願いします。






『あー、やっと終わった!』

それは、長い長い授業を全て消化しきった放課後のこと。

私は帰る準備をしていた。

授業はキツかったけど、この日はとても平和だった。

まぁ、前日に比べれば、どんな日でも平和に思えるんだろうけどね。

あの壮絶な体験に比べれば…ねぇ。

『今日は平和だったよ!うん、平和!平和が1番!』

熱弁を奮う私に、木島さん(私の友達。みんな覚えてる?)はニコニコ笑って頷いていた。

「よかったね草壁さん!じゃ、もう帰る?」

『うん!帰ろー。』

私は意気揚々と鞄を持った。

昨日は持つ前にあの人が来て、私は敢え無く連行された…けど!

さすがに2日連続は無いでしょう!!

…そう思ってた。

でもね…私は忘れてた。

あの人は一般常識を持ち合わせてなくて、一般常識で計れる人じゃないって事を!!

出逢って2日しか経ってないのに、ここまで解った私ってすごくない?

…ともかく、何が言いたいのかというと。

「菜月。ちょっとおいで。」

…また来たんだよね。

雲雀さんが私の所に!!






『…木島さんゴメン…。私、今日も無理だわ…。』






場所は変わって。

『2日連続で何なんですかー!?今日こそ平和に終わると思ってたのにー!!』

応接室に私の叫びがこだまする。

雲雀さんは耳に指を突っ込んでそれをやり過ごした。

「うるさい。僕は菜月に用事があるんだよ。」

『私だって用事ありましたー。』

「僕の用事の方が大事だよ。」

どういう基準でそうなるんですか教えて下さい雲雀さん。

恨みがましい視線を投げても、雲雀さんは軽く受け流す。

やだー帰りたい…。

…まぁでも、しょうがないかな。

雲雀さんには昨日の恩があるし。

その用事っていうのを聞いてやろうじゃないの!

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