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サブ長編
助けて、委員長…!
私と雲雀さんが並中校門前に着いた時には、既に風紀委員の人達がいた。

…みなさん、揃いに揃って素晴らしいリーゼント…!

ここまでくると、怖いどころか笑えてくる。

あんまり係わり合いたくないよ、こんな集団!






雲雀さんが注意事項を言い終わった所で、風紀委員の面々は並盛町に散らばった。

私も商店街に行かなきゃ。

あ…でも…。

『雲雀さん雲雀さん、ちょっといいですか?』

「何?」

『私、商店街への行き方知らないんですけど…。どうやって行ったらいいんですか?』

「あぁ、それは心配要らないよ。」

地図かなにかくれるのかなと思ったら。

「僕も商店街の担当だから。一緒に行くよ。」

そう言って、スタスタ歩き出す。

私はまた慌てて雲雀さんの後を追った。

…いいかもしれない。

雲雀さんと商店街の見回り。

…なんか、デートみたいだなぁ…。

でも、そんな淡い理想も、下校中の生徒が雲雀さんを避けて歩いてるのを見て吹っ飛んだけどね。

中には、わざわざ止まって一礼する生徒までいる。

どれだけすごいんですか雲雀さん!?






なんやかんやで、私と雲雀さんは商店街に到着した。

そして。

「じゃ、ここからは別行動だから。」

私はひとり、取り残された。

う〜…ちょっと残念…。

でもいいか!これで、心置きなく商店街を探険出来る。

気を取り直すと、私は歩き出した。






並盛商店街には活気が溢れている。

道の両脇に並ぶお店をひとつひとつチェックしながら、私は歩いた。

…あ!ケーキ屋ある!

私はお店の外から覗いた。

お店の中では、並盛中の制服を着た女の子と、違う中学校の女の子がはしゃいでいる。

並中生の子は、同じクラスの笹川さんだ。

このお店は要チェックだな…!

今はお金無いからケーキ買えないけど、明日はお金持って来よう!

メモ帳に場所を書き込むと、私は次のお店をチェックしに行った。






ホントにいろんなお店がある…!

前に住んでた所はこういう商店街ってなかったから、すごく新鮮!

いいじゃん!並盛!

私はちょっとニヤけ気味に歩いていた。

すると、いきなり肩を叩かれた。

…ん?誰?

不思議に思って振り向いた。

そこにいたのは。

「なぁ、今ヒマ!?ちょっと付き合わねぇ?」

柄の悪い男達だった。

うわ…ヤバい…。

『ヒ、ヒマじゃないです!失礼します!』

私はその場から逃げようとした。

だけど、

「いいじゃん!どーせもう学校終わったんだろ〜?」

腕を掴まれた。

『放してくださ…』

「キミ可愛いね〜!あ、それ並中の制服?」

「並中の子?俺達の後輩じゃん。学校生活のコツ教えてあげるからさ、こっちおいでよ!」

そして、路地裏に連れ込まれる。

抵抗しても意味は無かった。

相手は5人。私は1人。

最悪のシナリオが、頭の中を駆け巡る。

《そこは風紀を乱す奴が多いから、注意すること。解った?》

雲雀さんの忠告が、今になって甦ってきた。

今さら後悔しても遅い。






でも、神様。



もしもいるのなら。



もしもひとつだけ、我が儘を聞いてくれるなら。



あの人を私の所に連れて来て下さい。






助けて、雲雀さん…!

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