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サブ長編
ちょっと委員長!?
『し…失礼しま〜す…。』

私は恐る恐る応接室に入った。






この際、正〜直に言います!!

委員長・雲雀さんは…私のタイプだった。超どストライクの!

これは…もしかして、恋のチャンス到来!?

なんて、あらぬ事を考えてたら。

「まぁ座りなよ。話す事が沢山あるからね。」

座るように促された。

雲雀さんの真向かいに座ってみたものの、胸がドキドキしてたまんない。

これは…ちゃんと会話出来るか怪しいぞ!?






「…まず、君は何で風紀委員になろうと思ったの?」

『えっと…この学校に、少しでも早く慣れようと思って…。』

会話は、なんとか成立してるっぽい。

動機の後は委員会活動についての説明。

週に1度は校内を見回るらしい。

あーなるほどね、と聞いていたら。

「そういえば、君が初めてだよ。風紀委員会に入る女子はね。」

『…はい?』

え、マジですか?

いないの女子?私だけなの?

………なんで?

私は不思議に思っていた。

すると、応接室の扉がノックされた。

入って来たのは2人の男子生徒。

でも、彼らは普通の生徒じゃなさそうだった。

だって…!

2人とも見た目超不良なんだもん!

並盛中の制服はブレザーなのに、何故か学ランを着てる。

しかもリーゼントだった…!

古い!一昔前の不良だ!

何で入って来てんの!?

そしたら、男子生徒の1人が言った。

「委員長、宜しいでしょうか?」

…『委員長』?

って事は何、この2人も風紀委員なの?

明らかに風紀を乱す立場にしか見えないんだけど…。

………ん?まさか!?

風紀委員会って、こういう人達の集まり!?だから女子いないの!?

私の『まさか』は良く当たる。…悪い時に限って。

焦る私に構わず、雲雀さんは彼らと会話し始めた。

「どうしたんだい君達。」

「実は、校内で盗難事件が発生しまして…どうされますか?」

「盗難か…興味ないね。」

はあ!?興味の有る無しの問題じゃないって!

「君達で解決してよ。」

「し、しかし…。」

「ゴチャゴチャ言わない。それ以上言ったら…。」

雲雀さんは言葉を切ると、何かを取り出した。

それは、柄の付いた棒で。

「…咬み殺すよ。」

雲雀さん愛用の武器らしかった。

えーと…。

これ、武器だよね?
だってそれを向けられた2人、すごいうろたえてるし。

…って!!何で武器持ってんの!?

銃刀法違反じゃない!?いや、銃でも刃物でもないけどさ!!

誰かー!警察呼んで、警察ー!!

雲雀さんに武器を向けられた2人は、パニック状態の私を置いて逃げてしまった。

必然的に、雲雀さんと2人だけで応接室に残されたことになる。

「…全く…。君は、あいつらみたいにならないでよ…。」

『ハ、ハイ…。』

武器を仕舞う雲雀さん。

あー早目に仕舞ってくれてよかったー…。

でも、胸のドキドキが止まらない。

さっきまでと全く違う種類のドキドキがね。

と、雲雀さんが思い出したように言った。

「あぁ、忘れてた。まだ君の名前を聞いてなかったね。」

そういえば、そうだった。

色々あったから、私もまだ名乗ってないのに気付かなかった。

…てか私、風紀委員会に入りたくなくなったんだけど…。

それでも一応名乗る。

『えっと、草壁です。草壁菜月といいます。』

「…草壁?」

あれ、私、なんかおかしい事言った?

確かに『草壁』なんて苗字、珍しいかもしれないけど…おかしくはないよね?

「…そうか。君も草壁か…。」

『君も』って事は、他にも草壁さんがいるのかな?

「じゃあ、2人も草壁がいるのはややこしいね…。」

あ、やっぱそうだったんだ。

私が納得していたら、雲雀さんが驚くべき事を言った。

「なら、君の事は下の名前で呼ぼうか。」

『え゙!』

下の名前!?『菜月』って呼ばれるの私!?

『え…ちょっと待っ…。』

「いいね、菜月。」

私の抗議は黙殺された。

この状況で、私が取れる行動はひとつしか無い。

『…はい…。』






かくして、私の風紀委員会入りが決定した。

雲雀さんに『菜月』と呼び捨てされるオマケ付きで。

強引過ぎるよ雲雀さん!!

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