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サブ長編
やっぱりね、委員長
ダダダダダ…!



『はぁ…はぁ…。…ん?』






ドゴォッ!






『きゃあぁー!』






草壁菜月、14歳、風紀委員所属。

ただいま、風紀委員長・雲雀さんと戦闘練習やってます。

そして、未だかつてない命の危機を感じてます。






危ない、マジで危ない!

トンファーかすった!

髪の毛持ってかれた!

これ、いつ死んでもおかしくない状況だよね!?

つか、今まで生きてんのが逆に不思議になってきた…。

早く終わらせようと勇気を出して一撃を繰り出しても、サラリと避けられる。

このままじゃ終わんないよ!

そして、ふと周りを見回してみたら、惨々たる状況になっていた。

壁は所々穴が空いているし、フェンスはぐにゃぐにゃ。

誰が直すのコレ!?

少なくとも、私はやりませんからね雲雀さん!!






「考え事するなんて、余裕だね。」

『………ふぇ?』

ふと前を見ると、眼前にトンファーが迫っていた。

『いやあぁぁぁあ!!!』

思わずしゃがみ込んだら、上手く避けられた。

よし、逃げよう!

そして、今日何度目か解らない逃亡。

全力疾走しながら後ろを見ると、雲雀さんがやっぱり追い掛けてきていた。

ここまで来たら逃亡あるのみ!

よし、気合いを入れ直して加速…

『うあっ!』

…しようとしたらコケた!

しかも、右の足首に鋭い痛みが走る。

慌てて立ち上がろうとしても、右足は体重を支えきれなくて再び倒れ込んだ。

足挫いちゃったよ…!

これじゃ走るどころか、歩くのだって無理。

足首を押さえて蹲っていたら、背後に気配を感じた。

振り向くと、そこにはトンファーを構えた雲雀さん。

『わ、わっ…!』

後退りしても、簡単に間を詰められる。



やられる…。



思わず腕で頭をガードした。

でも、触れたのは、暖かい手の感触。

恐る恐る前を見ると、雲雀さんが私の足首に触っていた。

『ひ、ばりさん…?』

「結構腫れてるね。」

『はぁ…。』

雲雀さんは私の足首の様子をチェックすると、溜め息をついて立ち上がった。

「ふぅ…。菜月、保健室行こうか。」

『え、でも練習は?』

「そんな状態で出来る訳がない。」

ま、そりゃそうなんだけどね。






でもさ、やっぱり雲雀さんって、優しい人なんだ…。

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あきゅろす。
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