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長編
それもこれも、君だから
『ツナぁっ!うわ、ちーいさーい!』

「あの…。」

『わあっ山本だ山本!やっぱみんな、なんか子供っぽいね!』

「ははっ、やっぱり幾つになっても菜月は菜月なのな!」

いや、むしろこっちの菜月の方が子供じみてんじゃねぇか、このテンション。

十代目のお宅ではしゃぐ菜月を見て、つくづく思った。

故障した10年バズーカのせいで未来に戻れなくなった菜月を連れて、十代目のお宅にお邪魔して。

ついでに山本も緊急召集して、これからのことを話し合わなけりゃならねぇってのに。

当の本人、因みに最年長者がこんなんで大丈夫なのか。

『なんか懐かしいなー…向こうじゃみんな忙しくて、ご飯の時しか話せないってのもザラだから。』

「そうなんだ…ってことは、未来じゃ守護者全員で暮らしてるってこと?」

『そう、イタリアにあるボンゴレの屋敷でね。私もさっきまでそこにいた。だから…』

菜月はそこで、急にすっと真面目な目をした。

『…だから、未来に行ったこの時代の私のことは心配なし。未来のみんなが助けてくれるから。』

ね、と微笑む菜月を見て、無意識に大きく息を吐き出す。

十代目と山本も、どこか安心した表情だった。

俺が、そして恐らく十代目と山本までもが心配していたのは、今ここにいる菜月のことではなく、未来に行った菜月のこと。

俺たちからすれば未来は得体の知れないもので、そこで菜月を待ち受けているものなんて想像も出来ない。

ただそんな中でも、未来の守護者たちがいれば菜月が危険に晒されることはないだろう。

とりあえずそっちの菜月は任せたぜ、未来の俺。

「じゃあ、今俺たちが考えるべきは、この時代でどうするか…ってことだな。」

俺の言葉にこくりと頷く菜月。

『未来でもまだタイムマシンは出来てないから、私が向こうに帰るにはそれ以外の方法を見付けなくちゃいけないの。向こうでも探してくれてると思うけど…。』

「勿論こっちでも探すしかねぇな。」

『それと、私の親ね。まだこの時代ではマフィアのこと知らないから、上手く言っとかないと。余計な心配掛けたくないし。』

「電話がいいんじゃねぇか?あんまし声は変わってねぇし、俺たちより菜月がやった方がいいだろ。」

『うん、そうするよ山本。』

この後も着々と進んでいく話。

問題は無いかのように思えたが、ひとつだけ問題が浮上した。

それは、これから菜月が住む場所。

「当たり前だけど、菜月の家は無理だよね…。俺ん家はどう?」

『でもツナんところ、居候多すぎて大変じゃない?それにツナのお母さんとは面識あるし、もしかしたら怪しまれるかも。』

「んじゃー俺ん家も無理だな…。親父、菜月の顔知ってっし。」

『うん。残るは…。』

菜月は山本の言葉に頷くと、俺に向き合いじっと見詰めてきた。

「…な、んだよ。」

『獄寺ん家、泊めて。』

「はぁ?んな、俺ん家っつっても…」

『今の流れ聞いてたでしょ!他に場所無いんだもん!』

いや、事情は解るが同じ屋根の下でふたりきりで住むっつーのはどうかと思う。

いくら今は10歳違うといっても、一応は男と女が、だ。

しかし、菜月は俺の話なんか聞こうとせず。

『隼人、お願いだから…ね?』

…くそ、縋るように見詰めてそんなこと言うなんて、不意打ちにも程があるだろ。

気が付いたら、首を縦に振っていた。

菜月が目の前でふふ、と笑っているのを見ながら、あぁやっぱ俺は菜月に甘いらしい、と自覚してみる。

これから菜月と過ごす日々の中で、何回俺は振り回される羽目になるんだろうか。

…ただ、それを想像しても、決して嫌な気分にはならなかったけれども。

















〜あとがき〜

なんかちょっと書くのに苦労した。

次からは多分大丈夫だとは思うんですけどねー。

では、ここらへんで。

See you again!

寧音

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あきゅろす。
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