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星の物語-Novel-
街を探索しよう!
まぁ成り行きとはいえ…僕はロゼッタを連れて街を案内する事になったんだ。
「お?ハルト。女連れか?やるねぇ。」
「ち…違いますよ!」
…これで5回目。
「今日こっちにきました、ロゼッタです。よろしくお願いします!」
「おう!元気のいい姉ちゃんだな!よろしくな!」
「…ほんと女の人には弱いんだから…」
「う…うるせえぞ!ハルトのくせに!」
親父さんは僕の髪をぐしゃぐしゃにしながら照れ隠しをしている。

そういえばまだ紹介してなかったね。
このおじさんは食材を取り扱う店のマスター、通称は親父さん。

恐らく僕が唯一仲がいいといえる人。

…そういえば本名知らないや。
今度聞いてみよう、うん。

一時間くらいして、ロゼッタが「あ!」と言い、こっちへ歩いてくる人に向かっていった。
「リスティ!」
「え?ロゼッタ?いつ来たの?」
リスティと呼ばれた綺麗な青髪女性。
失礼だけど、ロゼッタと違ってグラマー体質?っていうのかな…
大人っぽかった。
「こんなとこで抱きつかないでよ、もう…」
「えへへ…いいじゃん。姉妹みたいなものなんだしさ♪」
「そうだけど…あら?そっちの子は?」
…そこでいきなり僕ですか…
「あ、彼?彼はね〜私の友達っ♪」
「あ…は…はじめまして…草薙…春人です…」
「ハルト君ね。私はロゼの友人のリステリア。リスティでいいからね」
「あの…リスティさん…僕に君付けは…」
正直女の人と話なんてしたことがないから、どう言えばいいかわからなかった。
「呼び捨て…はまだ早いかな。私達は初対面だしね。あ!もう行かなきゃ!それじゃ、またねロゼ、ハルト君!」
「またね〜リスティ♪」
「あ…はい、また…。」
挨拶だけを交わしリスティさんは駆けていった。
「…ね、ハルト君。」
「な…なに?」
「街の探索の続きしよ?」
「あ…うん」
「本屋なんてあるかな?」
「本屋さんなら、そう遠くないから…行こうか」
「うん♪」
ロゼッタは…本が好きなのかな?
僕も欲しい本があったし、丁度よかった。

「ついたよ?」
「わ〜…一杯ある〜…。ね、少し見て回ってもいいかな?」
「あ…」
…そんな子供みたいな目でお願いされて断われる筈が…
「うん。いいよ」
「ありがと♪また後でね」
そう言うとロゼッタは本屋の奥へと消えていったんだ。
「僕も…行こう」
僕は目当ての本を探す事にした。
「…ん〜…。あっ。あったあった…」
丁度最後の一冊…

新刊だから、人気だったのか…
マイナーだったのか…
とりあえず会計をして、僕はロゼッタを待つ事にした。

10分くらい経った頃、本屋からロゼッタが出てきた。
「お待たせ、ハルト君」
「あ…おかえり」
「ん?ハルト君、何の本買ったの?」
「あ…これ…?僕の趣味…気にしないで?」
「え〜…き〜に〜な〜る〜…」
「…。」
ロゼッタは変に子供っぽい…
仕方ないから教えようかな…
「…天使が…」
「え?」
「天使が…人間を幸せにするお話。夢見てるだけかもしれないけど…子供っぽいかもしれないけど…」
「ううん。きっと天使はいるよ!」
「ロゼッタ…」
あまりにも言葉に力が入っていたから、僕は驚いてしまった。
「…天使は…羽があるんだよね。」
「うん」
「羽があったら…この広い空を…飛べるんだよね」
「そうだねぇ〜…きっと気持ちいいんじゃないかな♪」
「いっそ…空に溶けちゃいたいな…」
「ハルト君?」
「え?!あ…何でもないよ。気にしないで」
…何を言ってるんだろ、僕は…
今日会ったばかりの人に…
「あ…日、暮れてきたね。帰らなきゃ…」
「あ…あの…ハルト…君…」
「な、なに?」
「その…泊めてもらえない…かな?」
「え…えぇぇっ!?」
ありえない…うん。ありえないお願い。

予想外すぎて…放心しそう…

「駄目…かな?」
「えっと…い…いいよ」
「ホント?!ありがとう〜♪」
…何か断ったら野宿でもしそうだし…断われない…
「それじゃ…行こ…うか」
「うん♪」

こうして街の案内は終わって、僕らは帰路についた。

今までの自分では想像出来ないような…

そう、生活が180度変わるなんてこの時に分かる訳なかった…


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