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星の物語-Novel-
発覚
早乙女を殺した俺は、『早乙女裕』の部屋で自分や神崎千春に関する物を探していた。

すると、ある写真を見つけた
「これは…?」
確かに見覚えがある

けれど思い出せない

今あるのは写真と激しくなる頭痛

「…誰だ?誰なんだ?」
口では誰だとか言っていたが、きっと頭ではわかっていた

写真に写る男が『早乙女裕』女が『神崎千春』であることを。

けれど、それを認めたくはなかった

鏡に映る自分

写真の中の動かない男

重なり合う二人

導かれる答え

薄れゆく意識

「お…俺は…早乙女…裕…?」

そんな気がした。

確証はない。
あるはずもない

早乙女裕は死んでるのだから。

「く…そっ…たれ…」
そこまで考えていた時に…視界が消えた。






…鳥の声がする

…聞きなれた声がする…

楽しかった毎日…

唐突に起きた事件…

人に対する想い…

恨み…妬み…

優しさ…切なさ…

後悔…希望…

「ち…は…る……。」
「いつまで寝てるつもり?」
「へ?」
俺は謎の声で目を覚ました
「こ…こは?」
「私の家よ?」
…まったく訳が分からない。
「…で?あんたの名前は?」
「…答える義理はないわね」
…可愛げのねぇ…
「…まぁいいや。俺は何でここに?」
「あの家で探し物があったのよ。なのに寝てるから…邪魔だから連れてきたの。それだけ」
「ふ〜ん…俺に惚れたか?」
「馬鹿言わないで。起きたなら早く出ていって。」
…なんて気のつえぇ…
「そういう所は相変わらず、か…」
「?」
…何を言ってるんだ?俺は…
「お前は…」
「…あなた…どうしたの?」
おいおい…俺は何を言って…

うるさい。少し黙ってろ。

何で自分と問答してるんだよ?

いいから黙ってろ。

…もう訳がわかんねぇ…
「…お前は人殺しなんてする人間じゃあないだろ?」
「…あんた…私を知ってるの…?」
「…知ってるさ。俺が探してた人間だからな。」

…探してた人間?

そう、こいつは…

「お前は…」

おいおい…

「神崎…千春だ。」
「それが…私の名前?」

まじかよ。
つうか今喋ってるのって誰?

俺か?俺は…

「私…貴方を知ってる…気がする…。でも…思い出せない…」
「俺は…」
…止めろ…
「俺の…名前は…」
止めろ…止めてくれ…
「早乙女…裕だ。」
…ありえない。ありえない…。
「…冗談でしょ?早乙女裕はあの事件で…」
「…。」

…もう訳が分からねぇ…

きっとこれは夢だな…

疲れてるんだな、たぶん…

きっと目閉じれば…

また壊れた世界に…

戻れる…よな?

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