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星の物語-Novel-
遭遇
この組織での依頼は基本的に昔お偉いさんだった奴やらを暗殺だのなんだの…
まぁ犯罪だった事を平気でやるんだし当然なんだけどな

今回のターゲットは…
「早乙女浩介…ねぇ。何か知ってる気がするんだけども…」
この名前に聞き覚えがある事がおかしい…

けど、こいつに会えば自分の事も神崎千春の事も分かるかもしれない。
俺は渡された資料を見ながら目的地へと向かった
「元警察官副所長ねぇ…。息子は早乙女裕…か」
以前あった殺人事件の被害者の父親…
聞き覚えのある名前…
そして嫌な予感…
出来る事ならこの依頼は降りるべきだった。
そう後悔するまで時間はかからなかった。

「ここかな。早乙女浩介って輩のお宅は」
正直暗殺なんて向かない俺は正面から行く事にした
「お?鍵が開いてる?」
そう、玄関に鍵がかかっていなかった
「…まぁラッキーって事でいいかな?んじゃいくかな」
しかし、入る時におかしな事を言ってしまった
「ただいま」、と。
「…ここ俺ん家じゃねぇぞ?」
我ながらおかしかった。
初めて入る筈の家で自然とでた言葉「ただいま」
「…頭が…」
何故ただいまと言ったのか…
考えるだけで頭が痛くなる
「なんなんだよ…ったく…」
頭を痛めながらも奥へと進む。
二階から声がする
「上か…?」
階段を登る途中でわかったのは言い争いをするような声だったという事と、男と女がいるという事。
「何故君がここにいる!!」
「質問の意味がわからないわ。」
「君は……ではないのか?」
「誰の事かわからないわね…」

「ちっ…よく聞こえねぇな…」
確かに人はいる。しかしあまりよくは聞こえない…。
「行くか…」
俺は部屋の中に入る
「!誰?!」
初めに女の声がした
「?君は誰だ?!」
次に男も言う
「お取り込み中悪いね。あんたが早乙女浩介さんかな?」
「あ…あぁ…そうだが…」
「そうかいそうかい。で?おたくは誰?」
「…」
問いかけても女は黙っている
「まぁいいか。んじゃ仕事に入る前に…聞きたい事がある。」
「な…なんだね…」
「神崎千春を知ってるよな?今何処にいるかわかるか?」
そう、それが本題なんだ。
コイツを殺すよりも、自分の記憶よりも…神崎千春を探す事が大事に思えた。
「神崎千春…か。彼女の方が知ってるんじゃないか?」
早乙女は女の方を見て言う
「…意味が分からないわね。」
「…なぁんかあんましよくない雰囲気ね。」
(もしかして…こいつが沈黙の夜か…?)
「君は一体何者なんだ!」
早乙女が叫ぶ
「…あんたを殺しにきたんですよ。そんだけっす。神崎千春を知ってるなら話は違ったんすが。」
「…君は何故彼女にこだわる?」
「会わなきゃいけないんすよ。まぁ、そんな気がするんですが…と?!」
人が話してる最中に女は斬りかかってきた。
「あっぶなー…。あ…帽子切れてる…」
「…べらべらとお喋りを…」
「…お前…その顔は…」
早乙女は俺の方を見て驚いている
「あん?なんかついてますかい?」
「…いや…あの子は死んだんだ…。裕は…」
また早乙女裕…か。
頭が痛くなるっつうの…
「…とりあえず死んでもらいまっす。…よっと」
俺は銃を出し、早乙女の頭を撃ち抜く。
無論苦しまなくてすむように配慮したからだが。
「あとは…あん…た?あら?」
先程まで女が立っていた場所には誰もいなかった。
「逃した…か…。つうか気になるなぁ…どっかで見たような…」
俺はとりあえず神崎千春や俺自身の事が分かりそうな物はないか探す事にした。

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あきゅろす。
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