星の物語-Novel- 運命の出会い -ジェイド家- 今日は任務もなく、家族揃って団欒の時を過ごす。 ファイゼルのパートナー、タクトを家に招き、任務先で出会った女性、「イングリッド」を招く事になっている。 イングリッドはファイゼルの任務中、敵に捕えられていたのを助け、それをきっかけによく会うようになっていた。 昼過ぎ。 タクトとイングリッドがジェイドの家に来訪した。 「こんにちわ、ジェイドさん」 「はじめまして。イングリッドと申します。」 「こんな家によく来てくれたね。立ち話もなんだから、中へどうぞ」 ジェイドは二人をファイゼル達が待つ客間へ案内する ただイングリッドの仕草を細かく確認する以外は普通に、だが…。 「ファイゼル様!お会いしたかったですっ」 「妹達の前だ…少しは慎ましく、な?」 「はぁい…」 「モテモテだな、ファイゼル」 「茶化すなよ、タクト。」 「兄様…誰?この人達」 「あぁ…紹介するよ。パートナーの月宮タクト、それから…」 「恋人のイングリッドです♪よろしくね♪」 「…まだ交際はしてないだろう?」 影からファイゼルがボソッと言う 「あらあら、賑やかね〜」 部屋の奥からアイリスが顔を出した。 「あぁ、母さん。前に話した、タクトとイングリッド。」 「あら、綺麗なお二人ね♪うちのファイゼルがお世話になってます。」 ぺこっと軽くお辞儀をする。 「いえ…こちらこそ。…ん…」 タクトは入口に佇むジェイドに気付いた。 その顔はとても険しく、声をかけられそうにない… 「…うん?どうしたんだい?」 「お兄ちゃんの友達…?」 ノイアは見知らぬ人が珍しいのか、タクトをじっと見ている。 「綺麗な髪…雪みたい」 「はは。ありがとう」 「はいはい、お昼にしましょ♪あなたもそんなとこにいないで、こっちにいらして?」 「…ん…あ、あぁ、そうだな」 ジェイドもやっと皆のいる方に来た。 「はい、いただきま〜す」 「いただきます」 アイリスに続き、皆も手を合わせ、食前の挨拶をする 「美味しいですわ、お母様♪」 「あら、ありがと♪イングリッドさん♪タクトさんはどうかしら…」 「とても美味しいですよ。」 「お口にあってよかったわ♪」 そんな会話の中、一人ずっとイングリッドを見続けているジェイド。 タクトを除き、皆その険しい顔のジェイドには気付かない。 楽しい食事会が終わり、タクトとイングリッドは帰っていった。 「ファイゼル。後で話がある」 「?わかった。」 こうしてその日は終わった。 …かに見えた。 一人悩むファイゼルを除いて… [*前へ][次へ#] [戻る] |