[携帯モード] [URL送信]

星の物語-Novel-
真実と新たなる謎
タクトから得た情報を元に、砂漠の一角へ訪れたファイゼル。
「…何を隠れてるんだ?」
ファイゼルの問いに答えるかのように岩陰から現れた黒フードの男
「待ってましたよぉ。」
「ふん。貴様などに待たれる筋合は…ない!」
剣を抜くファイゼル
「ふふふ。もう迷いはないようですねぇ?」
「もう迷いはしない。エリオット、お前を倒し私は真の敵を討つ。」
「私が…エリオットですって?」
「あぁ。お前はあの事件の時にもう死んだんだ。だが、奴の手によってこの世に戻ってきた。」
「…ククク…なるほど…私は騙されていた、という訳ですか…」
「お前の事情などは知らないが…お前がしてきた事の償いはしてもらおう」
「はは…アハハハハハハ!なるほど、なるほどね!私は道化だった訳ですか!全て奴の思惑通りだったと!!」
黒いフードをとり…高らかに笑う。
フードの下から現れた顔はファイゼルそのものだった
「…やはりか。まさか肉親と戦う事になるとは思わなかったよ。」
「今日は最高にすがすがしい気分ですよ!貴方は私の弟、ファイゼルですね?あぁ…私は可愛い弟を殺すと!」
「…ふん。もはや貴様を兄とは思ってないよ。ただの…敵だ。」
エリオットの目を見据え…駆け出すファイゼル
「それでいいのですよ!来なさい!ファイゼル!」
「はぁぁぁぁっ!」
大きく剣をふり下ろすファイゼル。
「見え見えなんですよ!」
「そうだろうな。私に剣を教えてくれたのは貴方なのだから!」
振り下ろされた剣を今度は斬り上げにもっていく
「ほう…少しは上達したんだねファイゼル」
「口調が戻ってきたようだな」
「あぁ!思う存分殺し合おうぜファイゼルッ!」
「生憎と殺し合うつもりはない!」
「ほざくなぁっ!」
エリオットの剣がファイゼルを捕らえる
「…残像か…やるようになったな」
「あんたを越えてみせると誓った。だから…」
手を地につけ、姿勢を低くするファイゼル
「早々にケリをつける、か…いいだろう」
居合の構えをとるエリオット
「行くぞっ!」
「こいっ!」
エリオットめがけ跳ぶファイゼル
「な…!?」
ファイゼルが着地した時…エリオットは剣を抜いていなかった
「あんた最初から…」
「これでよい…お前は奴を討つのだから…」
膝をつくエリオット
「…」
エリオットの体から光が溢れ始める
「ファイゼル…奴を止めるのは正しき心を持つもの…」
「正しき…心…」
「お前なら出来る…。俺は…お前と共にある…」
「にいさ…」
「行け!お前は止まってはならん!」
「…。」
エリオットに背を向け真の討つべき敵のいる場所へと駆け出すファイゼル。

「行った…か。さて…」
立ち上がるエリオット
「俺を殺しにきたか…カイエン」
崖のようにそりたつ岩の上に人影があった。
「…。」
「…!お前…カイエンじゃないな?!」
「行け。飛燕。」
「御意」
人影の声に答えるかのように、宙に舞う一つの影
「く…」
「主の命令ダ。死んでモラウ」
エリオットと飛燕と呼ばれたキャストの対峙していた時間は一瞬だった。
「…任務完了…」
「エリオットよ。我はカイエンだ。貴様の知るカイエンではないがな。行くぞ飛燕」
崖上から言い捨て、影は去っていった。
「御意」
飛燕と呼ばれたキャストは影を追い去っていった。

「…ファイゼル…あとはまかせ…」
広い砂漠の中…
倒れた男は光となって空に消えていった。

その光はまるで世界の希望を表すかのようだった。

[*前へ]

14/14ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!