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星の物語-Novel-
File No.5 一時の安らぎ
今日は皆で出掛ける約束をした日なんだが…

何か踏んだり蹴ったりな始まりなんだよなぁ…。

何があったか、だって?
そりゃお前…ルックスがなんだの、時間がなんだの…まぁ色々だよ…
「ねぇ裕?何で急に髪染めたの?ばっさり切ってるし、失恋でもした?」
うつむきがちだった俺に凛が話しかけてきた
「ないない。裕は神崎が好きなんだよ…ぶはぁ!」
「…。」
しまった…つい殴っちまった…。許せ…
「ムキになるとこがあ〜やしい♪ね、ち〜ちゃん?」
「ち…ちぃちゃん…?」
神崎の顔には困惑の色が出てる
「ちはる、だからちーちゃん。嫌かな?」
「嫌じゃ…ないけど…初めて呼ばれたから…」
誰にでも明るく、優しく接するとこが凛のいいところなんだよな。
「む?俺は一体…?」
「起きたか啓二。こんなとこで寝るなよ…」
「そうか〜俺は寝てたのか…納得。…するわきゃねぇべがぁぁ!」
「きゃ〜♪啓二が怒った〜♪」
楽しそうじゃねぇか…
「はは。冗談だよ冗談。悪かったって」
「…今回だけは許してやる」
「サンキュー」
「ふふ。」
「ん?どうした?神崎」
いきなり笑うもんだから俺をはじめ、啓二、凛も首をかしげる
「いや、本当に仲がいいんだなぁって。」
「そりゃなあ〜。俺と凛は小学校から同じだし、裕は中学から同じだしなぁ〜」
「そうだな。」
「へぇ…結構長いんだ〜」
「俺らもそうなるかもよ?」
「え?」
予期せぬ言葉だったのか、立ち止まる神崎
「今だけの付き合いでは終わらないと思うぜ?な、啓二、凛」
「そうだなぁ〜。なんだかんだでうまくやってけそうじゃね?」
「うんうん。いけるいける♪」
「…か、買い被りすぎよ…」
「あとになりゃわかるぜ」
「そうね…」
「ほれほれ!神崎も裕もそ〜んな事考えねぇでぱ〜っと楽しもうぜ!な、凛?」
「うんうん♪楽しもう楽しもう〜!」
…ほんとこいつらは明るくて脳天気だな…。
「そうだな。行くか、神崎」
「いちいち先導しないでくれる?嘘つき早乙女くん」
「誰が嘘つきだ。」
「貴方よ貴方!」
「いつ嘘ついたんだよ!」
「この前よ!」
「おいおい…また喧嘩かよ…。裕と神崎はほっといて先に行くか」
「あはは♪おいてけぼり〜」
「あっ!待てよ!」
「置いてくなんてひど〜い!」
…しかし仲が良い程喧嘩するってのもあながち間違ってねぇな。
実際このあとはかなり楽しかった。

だけど、これが最後の安らぎだと知っていたらもっと楽しめたと思う。
けどこの時の俺達にこの時が『最後』だなんて思えるはずがなかった…

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