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星の物語-Novel-
加速する狂気
-護送中のトレーラー-

「私達をどうするつもり?!」
「うっさい人だなぁ…娘がどうなってもいいのか?」
「お母さん…お姉ちゃん…殺されちゃうの…?」
「く…大丈夫よ、ノイア。大丈夫だから…」
「わかればいいんだよわかれば、な」
拐われたアイリスとノイアはトレーラーの中でただ震えるしかなかった
しかしアイリスは気になる事があった
長女シャーロットである
ノイアは自分と共に連れてこられたが、気付いた時にはシャーロットの姿がなかった。
アリーシャは家にいなかったので大丈夫ではあるのだろう。
「…。」
しかし聞いた処で答えてくれるとは思えない
それよりも今はノイアを守る事が最優先なのだ、と自分に言い聞かせる

その時事態が変わる
「だ、誰だお前は!」
叫び声と共に聞こえる銃声。そして断末魔の叫び
「ちょ〜っとあの人に用があるんですよねぇ。貸してくれません?」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ!」
「馬鹿って言う方が馬鹿なのになっと」
「う…うがぁぁっ!」
その叫びを最後に、辺りは静まった。
ノイアのすすり泣く声を除いて。
「…誰?」
落ち着いた感じで問いかけるアイリス
「死神ですよ、アイリスさん。」
「死神…?」
眉をひそめるアイリス
「私はね。自分の血縁者のみを殺す死神なんですよ。だから、貴方にも死んでもらわないといけないんですよねぇ」
はぁっ、と溜め息をつく謎の男。しかし表情はローブによりよく見えない
「私達を殺すのね…?」
「はい♪物分かりがよろしいようで♪」
「簡単に殺されると思う?」
「いいえ〜?だから、こうするんですよ」
「何をするつもり…」
言いかけたその時。
自分の肩から血が吹き出していた
「え…いつの間に…?!」
「つまりぃ〜抵抗される前に殺すんですよぉ♪」
「ぐっ…あぁ…!」
「お母さん!お母さん大丈夫?!」
「ふふ…ではこのへんで失礼しましょうかね。よい闇路を♪母さん♪」
「母さん…?貴方は一体…」
「あでゅぉ〜す☆」
「待ちなさい!」
男は別れを告げると同時に姿はなかった
「まだ…生きてる…?殺すんじゃ…」
「お母さん…私達死んじゃうの…?」
「大丈夫…大丈夫よノイア…お母さんが助けてあげるから…」
口ではそう言いつつ…心は不安で一杯だった

そして、その会話が二人の最後の会話となった…

爆発炎上したトレーラーは誰にも見られる事なく散っていった

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あきゅろす。
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