星の物語-Novel- 忍び寄る影 コロニーに戻り、部屋へ向かうファイゼル。 しかし部屋に戻ってみても誰にもいない。 「…何故誰もいないんだ…」 「しかし荒らされた跡もないな」 「あぁ…。」 その時 「失礼します。」 「…同じガーディアンが何の用だ?」 「ファイゼル殿ですね。貴方に殺人等の容疑がかかってますので本部までご同行願います。」 「…なんだと?」 目を細くし、じっと相手の目を見据えるファイゼル。 「あまりお時間をとらせてほしくはありません。」 「…私も一緒に行こう」 「月宮様には任務の依頼がきております」 「…く…」 「心配するな。私は大丈夫だ」 「…わかった」 渋々了承するタクト 「では行ってくるよ」 本部からの使いと共に本部へと向かうファイゼル 「…出来すぎだろう…何かおかしい…」 一人残されたタクトはファイゼルの部屋を調べていた。 「…この手紙は…。…馬鹿な…」 「おい。本部に行くんじゃないのか?」 「少し貴方にお話したいという方がおりますので」 「…そうか」 -惑星モトゥブ- 「何処まで行くんだ?」 「…地獄までですよ、エリオットさん」 「…何?」 先程まで前にいたガーディアンは地に倒れ、血の海に沈んでいる。 「…!」 「失礼、今はファイゼルさんでしたね」 「誰だ!」 振り向くが誰もいない。 「こっちですよ。」 「!」 声のした方を向くファイゼル。 そこには黒いフードを被り、黒いローブを纏った男が立っていた。 「何故この男を殺した?」 「あれぇ?落ち着いてるんだねぇ、ファイゼルさん。」 「質問に答えろ。」 「用済みだからですよぉ。」 「ノイア達をどうした!」 「ふふふ…どこでしょうねぇ?」 「質問に答えろ!」 「怒らないでくださいよ〜。こっわいなぁ〜」 「…答えろと言った」 「そんな殺気だった目で見ないでくださいょぉ。妹サン達はですねぇ。一人何処か連れてかれちゃいましてぇ♪もう死んでるんじゃないかなぁ?」 「ふざけるな!」 黒いフードの男を斬りつけようと間合いを詰めるファイゼル。が… 「落ち着いて話も出来ないとは…駄目駄目ですねぇ。」 「馬鹿な…いつの間に…」 「ふふふ。今日はこの辺りで失礼しますよぉ。」 「待て!」 「ではまたお会いしましょうねぇ。殺人狂のエリオット君♪」 言い残し黒いフードの男は影に消えていった。 「なんなんだ…アイツは…」 一人佇むファイゼル。 彼に光はあるのか… [*前へ][次へ#] [戻る] |