星の物語-Novel-
外章『天使と少年』
山奥にある平和な村。
そこにある少年が住んでいました。
その地には天使が住んでいるとされ、出会う事が出来たなら幸せになれると言われていました。
少年はいつか天使に出会えると信じていました。
そんなある日、少年はとある少女に出会いました。
少年は少女を村へ案内しました。
誰もが少女は天使なのではないか?と噂しました。
豊作が続いたり、治らないと言われた病気が治ったりしたからです。
少女は少年の家で暮らすことになりました。
少年は、毎日が幸せでした。
少女に好意を寄せていたからです。
好きな人と一緒にいられる事は誰しも嬉しい事。
しかし、別れは突然やってきました。
少女は行く所があると言い、少年の元を離れたのです。
少女は帰ってきませんでした。
少年はひどく悲しみました。
少年は来る日も来る日も、少女と出会った場所へ向かいました。
雨の日も風の日も。
雷の日も雪の日も。
少年が少女に出会えたのは、少女がいなくなってから一年後だった。
少年はやっとの思いで少女に出会えた。
しかし、幸福は訪れなかった。
少女はまたすぐに何処かへ行ってしまった。
少年はまた酷く悲しんだ。
ある時、少年の前にふと少女が現れた。
少年は嬉しかった。
しかし少女の顔は暗かった。
少女は少年に全て打ち明かした。
自分は天使になる為の試験を受けにきた事。
自分は人間ではない事。
それを聞いた少年はショックを隠しきれなかった。
少女はそれに気付いてしまった。
少女は泣きながら空へと飛んでいった。
少年は自分のした事を悔やみ、落胆の日々だった。
そしてある日、少年の心は潰れてしまった。
後悔に耐えきれず、自害してしまった。
それを天界で知った少女はひどく悲しんだ。
そして少女は天使長にお願いした。
自分を封印し、来世までは封印を解かないでください、と。
それを聞いた天使長は悲しんだ。
しかし、このままでは悲しみは増えてしまう。
そう判断した天使長は少女を封印した。
姿はそのまま水晶の中に。
魂は一輪の花に。
そして天使長は呟いた。
これもまた運命の輪…
輪が崩れない限り、悲しみは途切れない…。
いつか二人が幸せになれる日はくるのか…。
そう、これは何世も続く二人の物語…。
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