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「じゃ、野波ちゃんこっち来て。俺にも堪能させてくださいよ」
「痛くしないでね夏目くん」
「ああ、今日は剣道じゃないからご安心を」
「そうなの?」
「そうなの」

夏目くんの所まで歩いていくと、腕を引かれて抱き締められた。

「…っ!」
「ちょっと抱き締めるだけですよ」

夏目くんは僕のお尻を揉みながらそう言った。
既に抱き締めるだけじゃないような…

「ぅのれ夏目ーー!野波さんを放せ馬鹿者がーー!」
「自分だってさっき抱いたでしょ」
「んん…、面目ない!」
「ここはおとなしく見守ろう柔道部主将。俺達に止める権利はない」
「うおおぉぉぉ!仕方ない!」

大鹿くんや鳴海くんは置いといて、夏目くんがここでこんな風にするのは珍しい。
初めてかもしれない。

「意外だね。夏目くんがこんな事するなんて」
「隊長には秘密ですよ」
「僕は言わないけど、2人は分からないよ」
「…あー…俺死ぬかも。だから、ね?もう少しだけ…」

夏目くんの足が着流しの裾を割って、僕の足の間に入り込んだ。
丁度夏目くんの太ももが僕の股間に触れる。

「夏目くん、ダメだよ」
「少しだけ、着流しの野波ちゃんと遊びたい」
「…でも、そんな事されたら…たっちゃう」
「はは、すげー魅力的なお言葉。でも、俺も流石に命は惜しいんで、この辺で止めておきますよ」

夏目くんはため息を吐くと、僕をすんなり解放した。
それから僕達3人を近くに座るよう促した。


「久々に野波ちゃんを堪能できた事だし、相談とやらを聞きましょうか」
「うん。相談って言うのは田中勇馬の事なんだ。知ってるよね?田中勇馬」
「当然だ!」
「うむ。俺も知ってる」
「渦中の人ですしね。それで?」
「僕は生徒会の皆様が田中勇馬に脅されているように思えるんだ」
「…」
「…」
「…それはまた穏やかじゃない事を考えましたね」
「どう思う?何か聞いてない?」
「…」
「…」
「変だとは聞きましたけどね。まあ、隊長に聞いておきますよ。それで野波ちゃんはどうしたいんですか?」
「そんなの決まってるよ、許せない!」
「OK。隊長に伝えましょ。まぁ野波ちゃんの期待は裏切らないと思いますよ」
「男は掘れた女の望みを、どんと叶えるもんだ!」
「女じゃないですけどね」
「野波さんの願いならなんでも叶えてみせる」
「本当!?嬉しい!隊長さんにもちゃんと伝えておいてね。僕が直接伝えられたらいいんだけど…」
「分かってますよ」
「お願いね。じゃあ、そろそろ僕行くね」


彼氏が田中勇馬に脅されていると言う確証は得られなかったけど、彼らに相談して良かった。
上手くいけば、今度こそ田中勇馬を潰せるかもしれない。





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あきゅろす。
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