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小説
蛇家の始まり2(MGS)

まさかの続きです。
バレンタイン企画だったのにチョコ渡してなかったので渡してみた。
あと、かわいいネイキッドしか書いてこなかったのでカッコいいネイキッドを目指してみた。

ちなみに裸蛇→←←EVAのままです。
―・―・―・―・―・―・―・-

ネイキッドside//


酒は飲んでも呑まれるな、とどこかの誰かが言っていた。
酒の強い俺はそのことを実感したことが無かったが、やはり先人達の言葉はバカにできないものがある。
そう、気付けば俺も呑まれていたのだ。



「スネーク。はい、これ」



それはバレンタインデーの数日後。
そう言いEVAが渡してきた綺麗にラッピングされた赤色のかわいらしい箱がきっかけだった。



「EVA。これは??」



見に覚えがない物に素直に聞き返してみると返ってきたのは怒ったような呆れたような表情。
俺何か変なことでも言ったか?



「もぅ。わざわざ作ってあげたのに何でわからないのよ」

「??」



わけがわからん。
そう小首を傾げながら思っていると、EVAは「しょうがないわね」とでも言うようにため息をついて口を開いた。



「遅くなったけどバレンタインチョコよ。あなた欲しがってたでしょ?」



今の俺は鳩が豆鉄砲をくらったような間抜け面だろう。

何だ?
俺は幻聴でも聞いているのか?
それとも聞き間違いか?。
いや、だがもし幻聴でも聞き間違いでもなければつまり彼女は―――、



「俺のためにわざわざチョコを作ってくれたのか…?」



その言葉で今度はEVAが鳩が豆鉄砲をくらったような顔になった。

だがそれもしばらくのこと。
すぐにいつも通りの妖艶な表情でウインクして見せる。



「男を落とすには胃袋からって言うでしょ?」



確かにその通りだ。
俺だって食べごたえがあって美味い料理が作れるような家庭的な女性の方がいいしな。
だがEVAの場合、家庭的という言葉からは縁遠い女性だ。
まさかそんな彼女が料理という面倒なことをするなんて誰が想像出来ただろうか。



「君が料理出来るとは思わなかった」



だから、そう言う口元は皮肉っぽい笑みになってしまったのは仕方のないこと。
まあ、それに返す彼女もいたずらっ子のように「もちろん出来ないわよ」と言って笑っているあたり自覚はあったのだろう。



「でも、やってみると以外に面白いのよね。またやってみようかしら。ねぇ、スネーク。その時もよろしくね」



勘弁してくれ、と言いたいところだが断っても俺に渡すんだろうな。
普段の食生活と変わらないでしょう、とか言って。
まあ、しかしたとえ不味くても手料理を食べれるだけ俺は幸せな方だろう。
結局のところ俺の中には拒否なんて選択肢はないのだ。




「わかった。有り難く頂かせてもらおう」



そう言い笑いかけると満足したのか、EVAは用が済んだと言うように素っ気なく「じゃあ、また会いましょ」と言うと去っていった。

そして残ったのは俺には不釣り合いの赤い箱のみ。



(どうしたものか)



まあ、食う以外ないわけだが。
そう思い数個あるチョコのうちの2、3個取り出して軽く口に放り込んでみる。
するととたんに口に広がるアルコールの味。

どうやら酒入りらしい。
いや、正確には酒入りというより酒の味しかしない。
むしろワインボトル3本分くらいの酒を濃縮した形になってしまっている。



(…酔ったな、これは)



実際今も顔が少し熱い。
もう完璧なほろ酔い状態だ。
でも、これはおそらく酒のせいじゃない。
まったく、困ったものだ。




「…三十路前のおっさんがなにをときめいてるんだか」



俺だって気づかなかったわけじゃない。
むしろ兵士である分自分に向けられる感情に敏感なくらいだ。
だからこそ人を信用出来ない部品もあり、気付いていてもあえてそれに応えなかった。
人の好意を素直に受け止められなかったのだ。

なのにこうも他意がない純粋な好意をぶつけられて嬉しくない奴がいるだろうか。

いつもより素っ気ない所とか。
いつもより心に余裕がない所とか。
いつもよりピンクに染まった頬の所とか。
なにより料理なんて出来ないのに俺のためにバレンタインチョコを作った所とか。
君のそんな所を愛おしいと感じているあたりやはりそうなのだ。



「…まさか君に酔うとは」



こればかりは酒に強くてもどうしようもない。
いっそう呑まれるところまで呑まれてしまえばいいのだ。
きっとその方が人生楽しいだろう。



そう思い直して残りのチョコを口に放り込んだ。
やはり口に広がるのはアルコールの味のみ。
だが、その味はどこか甘く感じられた。



【続くかも】

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あきゅろす。
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