小説 名前(MGS) 【敵対】の後です。 ネイキッドさん視点です。 ソリッド君がFOXHOUNDに入った時のお話。 ソリッド君の本名がゼロ少佐の本名と同じデイビッドなのを知って「これは書かなくては!」と思い勢いで書きました。 ちなみに途中からネイキッドさんはソリッドさんを通してゼロ少佐をみています。 注意事項! ・思いっきりシリアスです ・捏造注意 ・蛇家みたいなほのぼのはありません ・かわいいネイキッドさんはいません ・ダンボール箱好きのソリッド君もいません ―・―・―・―・―・―・―・- 《人物設定》 【ネイキッド・スネーク(ビックボス)】 ソリッド、リキッド、ソリダス達クローンの基となった人物。愛国者の一人。ゼロ少佐とは友だった。ザ・ボスの最後の弟子。後に兵士にとっての楽園、アウターヘブン(天国の外側)を築くため愛国者に反旗を翻す。今は隠密特殊部隊FOXHOUNDの総司令官。 【ゼロ少佐】 ネイキッドの上司。愛国者の一人。ネイキッドとは友だった。ソリッド、リキッド、ソリダスを造った張本人。後に情報により統制された世界を作り上げる。本名はデイビッド。 【愛国者】 ザ・ボスの世界を一つにするという意志を受け継いだ人たちの集まりの総称。後に情報を管理し世界を統制する。主にMGS3で登場人物で結成されている。 【ソリッド・スネーク】 「恐るべき子ども達計画」で愛国者に創られたネイキッドのクローン。遺伝子に手を加えられ殺戮を促す遺伝子配列にされている。また寿命も短く、生殖機能もないように創られている。FOXHOUND部隊に所属している時点では己がネイキッドのクローンだという事実を知らない。本名はデイビッド。 【グレイ・フォックス】 少年兵の時、絶対兵士ヌルの時ネイキッドに救われる。FOXHOUND部隊で唯一FOXの称号を受け継いだ。後にソリッドの先輩かつ親友になる。また、ネイキッドが愛国者に反旗を翻した時ネイキッドと共に戦う。 【FOXHOUND】 米国の隠密特殊部隊。 ―・―・―・―・―・―・―・- 一番最初に感じたのは恐怖だった。 部屋に入ってきた新兵は周りから見れば十代から二十代位の普通の新兵。 あえて言うなら年相応というには落ち着いているというくらいしかないだろう。 しかし私はその男が不気味で恐ろしかった。 その顔も髪も声も私を責め立てるように見えたのだ。 「…君が新しくこの部隊に配属する者か?」 「はっ」 発した声は震えてなかっただろうか。 そう思いながら隣に立っていたフォックスに経歴などが書かれた資料を渡され軽く目を通す。 そしてある項目に目がいった瞬間、恐怖が嘲笑に変わった。 それは氏名の欄に書かれたデイビッドという名。 皮肉なものだな。 そう思いながら手元にある資料を無造作に机に放り投げ、椅子に体重を預け一つ深く息を吸った。 そうしてもう一度目の前の男に目を向ける。 相変わらずその男は見ていて気味が悪いが、唯一エメラルドグリーンの瞳は慈悲深く感じた。 目の前に立っているこの男は人形か、はたまた私自身か。 そう頭に浮かんだがすぐにその考えも打ち消す。 どちらにせよいずれこの男は私の脅威となるのだ。 どちらであってもそう変わりはしない。 ただエメラルドグリーンの瞳を通して私はあの男に伝えよう。 親も名前も己自身の身でさえ創られ複製されたこの男がお前達の切り札だというのなら、私はそれさえも利用してみせようではないか。 そしてお前は気付くのだ。 「ようこそFOXHOUNDへ。歓迎しよう」 己自身もまた運命に操られている駒の一つだということに。 「今日から君のコードネームは――」 …なあ? デイビッド。 「――ソリッド・スネークだ」 そう言い私は笑った。 さぁ、せいぜい戦いたまえ。 愛国者の駒よ。 end. [*前へ][次へ#] |