小説 敵対(MGS) 【別離】の1、2年後です。 【別離】がネイキッドさん視点なので今回はゼロ少佐視点にしました! ネイキッドさんはゼロ少佐のことを信頼していたんだけどクローン人間を作ったから憎むようになって、ゼロ少佐もネイキッドさんに隣にいて欲しかったんだけど自分の考えを理解してくれないので憎むという感じです! お互いに友でありたかったのに憎しみあう関係になるなんてっ!! ちなみにゼロ少佐は双子にネイキッドさんを重ねてます。 注意事項! ・思いっきりシリアスです ・捏造注意 ・蛇家みたいなほのぼのはありません ・イギリス大好きゼロ少佐はいません ・映画好きのヤブ医者のパラメディックもいません ―・―・―・―・―・―・―・- 《人物設定》 【ネイキッド・スネーク(ビックボス)】 ソリッド、リキッド、ソリダス達クローンの基となった人物。愛国者の一人。ゼロ少佐とは友だった。ザ・ボスの最後の弟子。後に兵士にとっての楽園、アウターヘブン(天国の外側)を築くため愛国者に反旗を翻す。今は隠密特殊部隊FOXHOUNDの総司令官。本名はジョン。 【ゼロ少佐】 ネイキッドの上司。愛国者の一人。ネイキッドとは友だった。ソリッド、リキッド、ソリダスを造った張本人。後に情報により統制された世界を作り上げる。本名はデイビッド。 【パラメディック】 ネイキッドの任務の時衛生管理を担当していた医者。愛国者の一人。ソリッド、リキッド、ソリダスを開発した。また、グレイ・フォックスを薬漬けにして蘇らし強化骨格にした。本名はクラーク。 【双子の赤ん坊】 後のソリッド、リキッド。ネイキッドのクローン。 ―・―・―・―・―・―・―・- 白い部屋にガラスで切り取られた空間。 そこで楽しそうに戯れる双子の兄弟。 彼らを見ることは私に大事な友人との繋がりを感じさせてくれていた。 あの時、彼が私の元から去るまでは確かに彼らは私の光だったのだ。 しかし今は違う。 彼らを見ることは嫌でも私に孤独であることを感じさせた。 白い部屋にガラスで切り取られた空間。 そこで楽しそうに戯れる双子の兄弟。 今までと変わらないその様子は私の中では変わってしまっているのだ。 防音ガラスに阻まれては双子の話し声も笑い声も聞こえない。 手を伸ばしても触れるのは冷え切ったガラスのみ。 目の前にいるのに遠い存在。 まるで私と彼のようではないか。 「ゼロ少佐、いらしてたんですか?」 不意に声をかけられ双子に向けていた意識をそちらに向ける。 そこにいたのは白衣を着た女性で私のよく知る人物だ。 「クラーク博士か」 私の反応に笑みをこぼしながら彼女は私の隣に立ち同じように双子に視線を向けた。 「最近は喧嘩もするぐらい元気に育ってますよ」 そう言った彼女の横顔は昔ジョンに向けていた表情と酷似していた。 もう一度彼女と同じように双子に視線を向ける。 やはり子ども達は私たちが視界に入らないかのように楽しそうに遊んでいる。 あぁ、何故この子達は私を見てくれないのか。 何故声を聞かせてくれないのか。 何故この思いをわかってくれないのか。 悲しみ以外に膨れ上がる怒りに目を背けるかのように私は双子に背を向け扉を開け部屋を出ようとした。 「会っていかれないんですか?」 クラーク博士の疑問が背に突き刺さる。 いったいどんな顔をして子ども達に、いや彼に会えというのか。 悲しいのか憎いのか訳が分からない、こんな感情が混雑した状態で。 「遠慮しておこう」 そう言って立ち去ろうとした瞬間初めて双子と目があった。 先程まで私を見もしないで楽しそうに遊んでいたのに、今は二人ともこちらを窺うような顔で私を見ている。 その顔は彼と同じ――。 「…っ!」 その時初めて悲しみでも憎しみでもない感情が湧き上がった。 すぐにその事実と二つの目線から逃れるように扉を閉める。 そしてそのまま扉にもたれかかりズルズルと崩れ落ちた。 この感情の正体は知っている。 だが、何故っ…! 「…ジョン。私は、君に隣にいて欲しかったっ。昔の、ように…!」 泣きそうなるのを必死で頭を抱え込むようにして抑える。 あぁ、ジョン。 私は君が愛おしくて憎いよ。 end. [*前へ][次へ#] |