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小説
別離(MGS)

ネイキッドさんが初めてソリッドとリキッド双子に出会う場面+ネイキッドさんとゼロ少佐が敵対する瞬間の場面です。
ネイキッドさん視点にしました!
途中ネイキッドさんのゼロ少佐の呼び方がゼロ少佐から男や奴にしているのわかるかな??
友人から敵になる感じを出したかったんだけど…文章力がない!!
ゲームでネイキッドさんがザ・ボスがいなくなってから、あんなに感情豊かだったのにそうじゃなくなっているように感じるのは私だけではないはず!!
だからザ・ボスが亡くなった後の話なので、ネイキッドさんの喜怒哀楽が薄くなってしまった設定にしてます。



!注意事項!

・思いっきりシリアスです
・蛇家みたいなほのぼのはありません
・かわいいネイキッドさんはいません
・イギリス大好きゼロ少佐もいません



―・―・―・―・―・―・―・-
《人物設定》

【ネイキッド・スネーク(ビックボス)】
ソリッド、リキッド、ソリダス達クローンの基となった人物。愛国者の一人。ゼロ少佐とは友だった。ザ・ボスの最後の弟子。後に兵士にとっての楽園、アウターヘブン(天国の外側)を築くため愛国者に反旗を翻す。
【ゼロ少佐】
ネイキッドの上司。愛国者の一人。ネイキッドとは友だった。ソリッド、リキッド、ソリダスを造った張本人。後に情報により統制された世界を作り上げる。
【愛国者】
ザ・ボスの世界を一つにするという意志を受け継いだ人たちの集まりの総称。主にMGS3で登場人物で構成されている。
【双子の赤ん坊】
後のソリッド、リキッド。ネイキッドのクローン。
【ザ・ボス】
ネイキッドの師匠。ソ連に偽装亡命をしたが、後始末をするためネイキッドに殺された。

―・―・―・―・―・―・―・-






白い廊下。
白い部屋。
そこにいる人間も皆白い服に身を包んでいる。

まるで病院を思わせるような空間だが、独特の薬品臭さやそこにいる人間が他人に笑顔を振り向けないところが俺をそこを病院ではないことを認識させた。
彼らは純粋な興味や夢でここにいるのだろうか。
そのせいで誰かが死ぬ事も知らずに。


吐き気がする。


早くこの異様な空間から出て行こうと思い来た道を引き返そうとした時、俺を呼びも止める声がした。



「スネーク!」



その声はBIGBOSSとして知られている俺をコードネームで呼んだ。
相手が誰か声で分かり俺はゆっくり後ろを振り返り、俺と同じようにこの空間で浮いているスーツ姿の男に向き直った。



「…ゼロ少佐」



目の前に立っていたのはやはり俺と同じ愛国者の一員で俺の友でもあるゼロ少佐だった。
俺がここに来たことがよっぽど嬉しかったのか、少佐は微笑みながらこちらに歩み寄ってきた。



「よく来てくれた!君に見せたいものがあったんだ」


少佐はこちらに来てくれと俺をある部屋へ案内してくれた。
そこは他と同じく白い空間に機械が沢山並んでいる部屋だったが、他と違って部屋の奥にガラスの壁で囲まれた部屋があり中に二人の赤ん坊がいるのがわかる。

するとゼロ少佐はこの子たちを見てくれといわんばかりにガラスの壁の前に立ち、目線で俺を促している。
いわれるがままに俺はゼロ少佐の隣に立ち双子の赤ん坊を見た。



ドクンッ



とたんに俺の心臓が大きくはねた。
そして、その瞬間俺の中に止まっていた何かが一気に全身を駆け巡り俺を掻き乱す。


気持ちが悪い。
何だこれは?


だが、その疑問の答えはすぐに隣にいるゼロ少佐の一言でわかることになった。


「スネーク、この子達は君の息子達だ」



ドクンッ



また大きく心臓はねた。


どういうことだ?
隣りにいる男は何を言っている?


そんな混乱をよそに頭は一つの結論へと導いていく。
そして結論へとたどり着いた瞬間全身を巡っていた何かが渦となって一つの形になっていく。


ああ、これは…
怒りだ。


気が狂うくらいの怒りの渦が俺の中でのたうち回り掻き乱しているのだ。



「…どういうことだ」



気付けば自分のものとは思えないほど地を這うような低い声が出ていたが、隣りの男は何も気付かなかったらしくいつもと同じように答えた。



「君の遺伝子を使って作らせてもらった。
DNA上君と同一人物…

つまり、君のクローンだ」



隣りにいる男は嬉しそうに話した。
どのようにこの子達が作られたのかなど、知りたくもない過程をぺらぺらと。


違う、そんなことを聞きたいんじゃない。


そう思った瞬間、体が勝手に隣にある機械感情に任せてを殴っていた。
部屋中に大きな音が響く。
機械は壊れてしまったがそんな事はどうでもいい。
俺は隣りにいる男を怒りを隠さないまま真っ直ぐ見据えてもう一度尋ねた。



「どういうことだ」



流石に目の前の男も俺の変化に気付いたらしい。
少し驚いた様子を見せた後、俺の真意を理解したらしく悲しそうに目を細めた。



「スネーク、いやジョン。私は君の気持ちは理解しているつもりだ。戦場で生き抜いた君には私がやっていることは許せないかもしれない。
だが、わかってくれ。人にはイエス・キリストのように心の拠り所となる存在が必要なんだ」



それを聞いた瞬間怒りが一気に引く感覚がした。
そして、後に残ったのは静かな殺意と少しの悲哀のみ。
奴はただ単に俺の代わりに都合のよい偶像が必要なだけ、俺は聞いても無駄だという風に男に背を向け歩き出した。



「ジョン!」



男はまるで懇願するような視線を俺に向けていたが無視をし部屋を出た。
俺と男の間に一つ無機質な音を発てて扉が閉まる。
その音を聞いた瞬間奴に対する未練も断ち切れたような気がし、俺はまた前を向き歩き続けた。


もう後戻りはできない。
俺はザ・ボスの意志を継いで俺の道を進むだけだ。
誰にも邪魔させるものか。


歩き続ける俺にふと聞こえた赤ん坊の声、それはまるで俺を引き留めているかのように聞こえた気がした。


end.

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