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「だからこの男所帯でも、働かせてもらえてるのよ。男扱いで構わないって社長に言ってるから」

「はい。実はそこが問題なのではなくてですね…」


悟史の言葉に高橋が物珍しげな視線を向ける。


「えっと…これを…とりあえず」

「なに?…名刺?」


悟史が渡した紙を見て、高橋は眉を顰める。裏表を確認し、じっと眺める。


「………これが?」

「それ、俺の…友人、いや、知り合い?あんまり仲良くはないけど、何ていうか…昔の同級生のなんです」

「はぁ」


名刺を返しながら頷く。


「あの、高橋さんって、二丁目とか行ったことありますか…」

「………あるわね」

「そういうとこで働いてる人って、みんな同性愛者の方なんですか?」

「うーん…みんな、とは限らないかもしれないけど。多いんじゃない?」

「ですよね…って、じゃあもう…一体これは…」

「………あの、何の話なの?」


悟史は顔を上げる。高橋が怪訝な顔をしていた。


「すみません…あの、その同級生に…その名刺もらって。それって来いってことですかね?」

「さぁ…。まぁ、来るなって意味ではないでしょうけど」

「でも同級生、男で。俺、確かにまた会いたい気持ちはあるんだけど、ホモではないからそういう相手は出来ないというか…ていうか何で誘われたんだ?」

「藤井君、考えがまとまらないうちに人に悩みを打ち明けてはダメよ」


高橋の冷静な声がピシャリと場を打った。




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あきゅろす。
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