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「それじゃ、さっさとAクラスの連中にわからせてやるか」

「えっ」


浜名さんと神楽さんが僕の両側をがっしり掴む。連行される犯罪者みたいだ。
僕の右側に居た神楽さんが教室のドアを開ける。


「おはようございます、神楽さ……ま?」


ドアの近くに居た生徒が挨拶の途中で僕の存在に気付いた。更にそれを見た教室中の目が不安と戸惑いの色を浮かべている。


「あ、あの、神楽様…?どうして神崎奏と一緒に…」

「会長命令」


神楽さんはみんながこっちを見ているのを確認してから、にっこり笑った。


「ってわけで俺と水鳥は神崎の面倒を見るように会長に頼まれたから、そういうことでよろしく。納得いかない人は生徒会に直訴してね」


僕は神楽さんのあの笑顔の意味を知っている。あれは有無を言わせない時の顔だ。
普通なら笑顔はいい意味だけど、神楽さんの場合は逆に笑顔じゃない方が話を聞いてくれるんじゃないかと思う。

みんなはざわざわとしていた。先週までは僕を嫌ってた二人だもんね…。
すでに僕にキツい目を向けている人も居る。冷たい目で睨んでいた。怖い…。

前の学校の馬鹿にしてる視線とは違うんだって思った。むしろ悪化してる。嫉妬や恨みの方がずっと僕個人への想いが強い。

でも仕方ないよね、恨まれて当然のことを僕はしてる。
って思ってたら浜名さんがバシッと僕の背中を叩いた。



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