遠距離恋愛(完結)
<性奴隷・奈緒>
9
肩を抱いている純弥の手に、奈緒が緊張して震えているのが伝わる。
奈緒って…
キスするのも初めてなのかな?
そんな事を考えながら唇を重ねた。
軽く唇が触れあうと…奈緒は恥ずかしそうに純弥から目をそらす。
「奈緒…?緊張した?」
「うん…」
「かなり震えてたけど…初めて…?」
「知らないっ!」
奈緒は、そう言って純弥の背中に手を回して胸に顔を埋めた。
しばらく奈緒を抱き締めていると、奈緒が泣いている事に気付いた。
「奈緒…?どうしたん?」
「ずっと…こうしてたいよ…大阪に帰っちゃやだ…」
「えっ…?」
こんなワガママを言う奈緒が愛しくてたまらなくなる純弥。
近場の女ならうっとうしいと思うかも知れないが…
簡単に会える距離ではないために、この言葉が胸に突き刺さり…
純弥の目にも涙が浮かんできた。
奈緒の頭を撫でながら、泣き止ませるための気の効いた言葉を考えたが、何を言っても明日の夜からは、電話だけの繋がりに戻ってしまうのだ。
結局たいした言葉を交わす事もなく、空はすっかり暗くなっていた。
「もう暗くなってきたから…ご飯を食べに行こっか?」
「うん…」
ファミレスで夕食を済ませたのだが、半泣きの男女が二人でいる姿は、不思議な空間が漂っていた。
周りから見てたら笑えるやろうなぁ…
二人で泣きそうとか…
どんな別れ話やねん!
純弥はそんな事を一人でツッコミながら、食事を済ませて予約していたビジネスホテルに行くことにした。
純弥と奈緒の初めての二人きりの空間に、嬉しそうな奈緒は、ベットに飛び込んだ。
「今日は楽しかったね?途中で泣いちゃってごめんね?」
せっかく会えたのに楽しい時間を潰した事に対して謝る奈緒。
「別にいいで?奈緒と一緒にいれるだけで楽しかったから!」
純弥も奈緒の寂しい気持ちが痛いほどわかるため、奈緒の横たわるベットに座って笑う。
純弥がテレビをつけると…
奈緒が立ち上がってテレビを消す。
「なんで消すの?」
「テレビはいつでも見れるじゃん?でも…純弥君と過ごせる時間は今だけなんだよ?」
奈緒は、そう言って純弥の隣に座って頭を肩に乗せて寄り添ってくる。
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