遠距離恋愛(完結)
<性奴隷・奈緒>
8
土曜日の朝…
東京駅で初めて奈緒との待ち合わせ。
純弥は人混みで溢れる東京駅の改札口の隣で奈緒に電話した。
「10番っていう改札口にいるんやけど…人が多過ぎるし、広くてわけがわからん…迎えに来て?」
「わかったよ!10番だね?すぐに行くから待ってて?」
純弥は携帯をポケットに閉まって、奈緒を待った。
人が通る度に写真でしか知らない奈緒を、探していた。
この子だったらいいなぁ?
この子やったら嫌やなぁ?
そんな事を思いながら人混みを眺めていると…
キョロキョロと人を探している制服姿の少女を発見した。
紺色のブレザーに赤いタータンチェックのミニスカートの子がその場に立ち止まって、携帯を取り出す。
(純弥君ってどの人だろ…?)
「もしもし…着いたよ…?どこにいるの?」
かなり緊張しているのか声が小さくてあまり聞き取れない。
そんな奈緒の背後からトントン♪と肩を叩く。
「奈緒?」
振り向いた奈緒はビクッと驚くと俯いてしまう。
「うん…奈緒だよ…」
「奈緒って写真より可愛いやん!」
笑顔で話す純弥の顔を俯いたまま、チラチラと見上げる奈緒は小さな声で話す。
「純弥君も…かっこいいじゃん…」
こうして、初めての対面を済ませた二人は、恋人のように指を絡ませて手を繋いで東京駅を出た。
約束していた東京タワーの展望台に行って、奈緒が通う学校を眺めたり…
原宿通りで昼食したり、服を見て歩いたり
ゲームセンターにカラオケ。
夕方には、海に行って…
誰もいない砂浜で寄り添って座って海を眺めていた。
純弥が奈緒の肩にそっと手を回すと…
奈緒は純弥に体を預けて呟いた。
「奈緒ね…今、すごく幸せだょ…」
純弥は奈緒の顔を覗き混んで笑顔で答える。
「俺も幸せやで…?」
奈緒は手をモジモジとしながら俯いていた。
この展開はキスするんだぁ!
やだ…恥ずかしいょ…
どうしょ…
俯いている奈緒の顔が真っ赤になってしまう。
「奈緒…?こっち向いて…?」
いつになく真顔の純弥の顔をチラッと見上げて頷くと、目を閉じて純弥の方に顔を向けた。
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