遠距離恋愛(完結)
<性奴隷・奈緒>
5
しかし…
奈緒は学校が終わると必ずのように毎日電話をかけてきた。
学校の先生の話や友達の話など、高校生らしい会話である。
「今日ね!優菜ちゃんと食堂に行ったんだけど、お盆をひっくり返してね?ドバーッ♪って溢れて、私の足にワカメが、ひっついたんだよ?キャハハ♪」
「アハハ♪嘘や?ワカメが足についたん?」
関西人の純弥は、はっきり言って食堂でいたわけではないので、全く面白くなかったが、関西人は、人の話は笑って聞くのが鉄則である。
そのうち純弥は、先生の名前も友達の名前も覚えてしまった。
一週間くらい過ぎた頃には、奈緒からかかってきた電話に、純弥がかけ直すようになっていた。
高校生に一回2500円の電話代を払うのは、親に叱られるだろう。
何度も電話をかけてこないで…
そう言おうとしたが、元気で楽しそうに話す奈緒に言えなかった責任を感じていたのも事実である。
お互い顔も知らないのに、毎日の電話が楽しみになってきた頃…
純弥は、顔が知りたくなってきた。
可愛かったら、東京まで会いに行くし、遠距離恋愛だってかまわない。
しかし…
もし、顔を見てタイプじゃなくても、情があるため、上手く縁を切れないだろう。
正直…悩んだ。。。
その一方で、奈緒は顔を見なくても純弥に恋していた。
一年先輩の彼氏と別れたばかりで、もっと大人の男性と付き合いたかったのと、会話が弾む純弥と話すだけで毎日が幸せな気持ちになれた。
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