秘密(完結)
基広(もとひろ)先輩の腕の中で…
基広の膝の間に座った美穂を、背後から抱き締めて唇を重ねる。
美穂も覚悟を決めたのか、大きく息を吐いて、基広の唇を求めて、何度も丁寧に唇を重ね合わせた。
美穂の唇を舌で押し開いて、舌を差し入れると、抵抗なく、美穂は基広の舌を受け入れて舌を絡めた。
武がさっき美穂との初めてのキスをした唇が基広の自由に操られているのを、嫉妬で狂いそうになりながらも、少し興奮して、目を離せないでいた。
基広は美穂の耳にキスして、そのキスは首筋へと落としていく。
「あっ…あん…はぁ…んっ…」
美穂の意思に反して、快楽の声が漏れてしまう。
武への償いとして、絶対に感じないと心に決めて挑んだのだが、基広に快感を教え込まれた体は、勝手に反応した。
両手で服の上から円を描くように、胸を撫で回されると、武から顔を背けて、甘い吐息が漏れる。
「あん…あん…あっ…はぅ…んっ…はぁ…お願い…見ないで…」
武に向かってそう言うと、美穂の目から、我慢していた涙が溢れ出す。
基広の手は、美穂の白いワンピースの肩紐を外して、純白に花柄の刺繍がちりばめてあるブラジャーを覗き込む。
この下着は、武と過ごすために用意した、新品の物だった。
今日だけは、武と幸せな時を過ごしたかったと思うと涙が止まらない。
「美穂…泣いてるのか?」
「……」
無言のまま…基広から視線を外す。
「初めての時もそうやって泣いてたよなぁ?こいつって純情系だろ?こうやって…ブラジャーを外しただけで、泣いてたんだよなぁ…」
武に聞こえるように大きな声で言うと、美穂は視線をどこにすればいいのかわからずに俯いたまま…
「や…やだ…言わないで…」
武はこの時、高校1年の時に美穂が幸せそうな顔で話していたのを思い出していた。
(基広先輩と付き合う事になったんだぁ!私って基広先輩の事がずっと好きだったでしょ?だから幸せ過ぎて…怖いよ(笑))
その時に嫉妬していた自分を思い出すと、
無意識に言葉を吐く。
「俺…初恋が美穂だったんだ…」
その声が基広と美穂の耳にも入ってしまった。
美穂は武の気持ちに心が痛くなり…
「やっぱり…無理…です…」
二人の男の前に晒していた胸を手で隠した。
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