秘密(完結)
謎の訪問者
「か…帰って…くだ…さい…」
美穂は完全に怯えきった声で、今にも泣きそうになっていた。
その訪問者の顔は、武も知っている人物だったので、美穂が怯える理由を不思議に思いながらも普通に接した。
「基広先輩じゃないですか?お久しぶりです!何があったかわかりませんが、二人で誕生日会をしてるので帰ってもらえませんか?」
基広はニヤニヤと笑いながら美穂の耳元で何かを囁いた。
(帰ってもいいけど…あの事がみんなに知られてもいいのかなぁ?)
「や…やめて…いや…」
耳を覆って座り込んで、泣き出してしまった。
武はこの異常事態に、美穂の横に座って肩を抱き締めてあげる。
「どうした?」
しかし…
美穂は何も答えようとせずに、
ただ…泣き崩れているのだった。
基広は二人を見下ろしながら、美穂と二人きりで話がしたいと言うので、武は美穂に聞いてみた。
「基広先輩と二人で話す?」
泣き崩れたまま…美穂は首を縦に振ったので、武は心配そうな表情で美穂を見つめながら部屋を出ていった。
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