[携帯モード] [URL送信]

秘密(完結)
謎の訪問者


「か…帰って…くだ…さい…」


美穂は完全に怯えきった声で、今にも泣きそうになっていた。


その訪問者の顔は、武も知っている人物だったので、美穂が怯える理由を不思議に思いながらも普通に接した。


「基広先輩じゃないですか?お久しぶりです!何があったかわかりませんが、二人で誕生日会をしてるので帰ってもらえませんか?」


基広はニヤニヤと笑いながら美穂の耳元で何かを囁いた。


(帰ってもいいけど…あの事がみんなに知られてもいいのかなぁ?)


「や…やめて…いや…」


耳を覆って座り込んで、泣き出してしまった。


武はこの異常事態に、美穂の横に座って肩を抱き締めてあげる。



「どうした?」


しかし…


美穂は何も答えようとせずに、
ただ…泣き崩れているのだった。


基広は二人を見下ろしながら、美穂と二人きりで話がしたいと言うので、武は美穂に聞いてみた。



「基広先輩と二人で話す?」


泣き崩れたまま…美穂は首を縦に振ったので、武は心配そうな表情で美穂を見つめながら部屋を出ていった。




[前へ][次へ]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!