秘密(完結)
初めてのキス
誕生日のケーキにろうそくを立てて、電気を消す。
並んで座る二人をキャンドルライトが照らす。
「武君!お誕生日おめでとう!」
パチパチ♪
美穂が拍手をすると、武が美穂を見つめていた。
「んっ?なぁに?」
「また来年もこうして二人で祝えるといいね?」
そう言って、武がさりげなく肩に手を回すと、美穂は俯いたまま…
「う…うん…武君なら…ずっと一緒にいてもいいよ…」
と小さな声で答えた。
「俺も一緒の気持ちだよ…美穂…」
二人の気持ちに偽りはなかった。
どちらからというのではなく、お互いに唇を求め合った。
チュッ♪
唇が触れ合うだけの優しいキスだったが、純粋な二人にはこれで十分幸せだった。
ろうそくの日を吹き消して…包丁を取るために、美穂が立ち上がって部屋から出ようとすると、美穂より先に扉が開いた。
「えっ!?」
突然の訪問者を見た美穂は、肩を小刻みに震わせて、立ちすくんでしまう。
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