秘密(完結)
彼の誕生日パーティー
ピンポーン♪
「来た!待ってたんだよ!あがって?」
元気な声でドアを開ける美穂に対して、
「おはよう!おじゃまします…」
緊張気味に玄関に入ってキョロキョロと見回す武。
大学一回生の美穂には、入学してすぐに付き合った彼の武(たけし)という彼氏がいた。
その武は、美穂の家の近所に住んでいて、幼稚園の頃から仲良しの幼馴染みだったが、高校は男子校で過ごしたため、3年間は会う機会が減っていた。
偶然にも二人が地元の大学に入って、久しぶりの再会に恋心が芽生えて付き合う事になった。
武は男子校で過ごしたため、彼女というものがいた事がなくて、美穂は初めての彼女だった。
美穂には、初恋だった近所に住む先輩と高校1年の時に付き合っていたので、武は二人目という事になる。
そんな二人が、夏休みのある日。
美穂の両親が留守の日に、武の誕生会を二人きりで祝う約束をしていたので、美穂の家に来たのだ。
「私ね!武君のためにケーキ焼いたんだよ?」
白いワンピースで着飾った美穂は、自慢気にケーキを両手に乗せて、満面の笑みで武に見せる。
「めっちゃうまそう!」
「きっと味も美味しいからね!楽しみにしておいてね!」
いつも元気に振る舞う美穂を武は可愛いと心の底から思っていた。
付き合って3ヵ月過ぎの二人はお互い愛し合っていたが、美穂には誰にも知られたくない秘密があった。
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