True Love
伸二がくれたメモ
次の日…
梨依は傷口に巻いてもらったハンカチを洗って、伸二に返そうと3年の教室に向かった。
教室の前に着いて…
伸二を見つけると、伸二の席には女子生徒が数人集まって雑談していた。
(やっぱり…伸二先輩はモテモテなんだよね…今、私が呼んだら迷惑だよね…きっと…)
廊下を引き返そうとすると伸二が梨依に気付く。
「あっ!昨日の子!待って!」
梨依が振り返ると伸二が走り寄って来る。
「昨日の怪我は大丈夫だった?」
優しく微笑む伸二に対して笑顔になる梨依。
「はい!大丈夫ですよ!ハンカチありがとうございました」
「あっ…わざわざ届けに来てくれたんだ?ありがとっ!」
伸二がハンカチを受け取ると、胸ポケットから生徒手帳を一枚破ってメモを書いて梨依に渡す。
「あとで読んでね!」
もらったメモを大切そうに持って自分の教室に帰った梨依は、授業中にこっそりメモを開く。
(今日、一緒に帰らない?校門の前で待ってるから。無理ならメールして?○○@……)
メモにはアドレスも書いてあった。
授業中だというのに、梨依は胸が踊って小さくガッツポーズをした。
(やった♪先輩から誘われちゃった!)
伸二と一緒に帰る事で頭がいっぱいになって、その日の授業は何も考えられずにニコニコと嬉しそうに笑っていた。
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