[携帯モード] [URL送信]

スタリオ

窓から差す光と、鳥のさえずりで目が覚めた。
体を起こそうと身を捩ってみるが、動かない。
それもそうだ。
僕の体は、スタンに抱きしめられているから。
自分が起き上がる前に、まずこの寝坊助を起こさなければ。

「おい、スタン、起きろ」
まずは、肩を揺すってみる。
当然のことながらこの程度では起きるはずはない。

「この…!馬鹿、起きろ!」
今度は腹を思い切り蹴ってやった。

「うぐッ!………おはよ、リオン」
二段階目で起きたか。新記録だ。
しかし、何故こいつは腹を蹴られてもこんなに爽やかに目覚められるんだ?

「おはよう、スタン。今日は早かったな」
「んー…?…………すぅ」
……。
…………二度寝。もしくは今まで寝ぼけてたか。

「いい加減にしないかっ!起きろ!」
耳元で怒鳴ったら、流石に目が覚めたらしい。
「!!お、おはよ〜」
「今度こそ起きたな?」
「うん!」
まったく…世話のやける…。
「リオン、なんか楽しそうだね」
「何が楽しいか。毎朝起こす手段を考えなければならないのに」
「ああ、それなら、フライパンをおたまで叩くのが効果的だよ。いっつもリリスにそうやって起こされるから」
前に聞いたことがある。確か「死者の目覚め」…だったか。
「できればそれは使いたくない」
「なんで?」
「………僕は僕なりの方法で起こしたいんだ」
「リオン…」
瞬間、ガバッと抱きしめられた。


[次#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!