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スタリオ
準備

約一年眠りっぱなしだったため、体が上手く動かない。そのため、僕はリハビリをしていた。
少しずつ元気になっていく僕を見て、バゼット先生は自分のことのように喜んでくれた。
「流石、王国の客員剣士だっただけありますね。その調子で頑張ってください!」
僕は、ずっと抱いていた疑問を打ち明けてみた。
「先生…シャル、シャルティエは、どこですか?」
先生の表情が少し曇った。やはり…。
「君のソーディアン、シャルティエは………」
「海の底…ですか…?」
声が震えて、先生に聞こえたかはわからない。
「なんてね」
「え?」
「君を海岸で見つけたとき、シャルティエはしっかりと君の腕の中にありました。ただ、君が体を治すまでは、こちらで預からせてもらいます」
「そう、ですか…。よかった…!」
驚いた気持ちと、嬉しい気持ちとで涙が溢れてきた。
「リオン君?ごめんなさい、からかいすぎましたね」
「シャル…っよかった……!」
「…そうですね」
バゼット先生は、僕が落ち着くまで頭を撫でてくれた。

それからも毎日のように筋トレじみたことをやらされ、だんだんと体も以前のように動くようになってきた。
シャルも返してもらえ、剣の稽古もした。
『坊ちゃん、スタンに会いに行かないんですか?』
「ん?…そうだな、退院の許可がおりたら、な」
『楽しみでしょう。坊ちゃん、スタンのこと大好きだから』
「うるさいぞ、シャル」
『す、すみませんっ』
「ふふっ」
『…えへへ』
シャルに笑いかけたら、シャルも笑ってくれた。

きっともうすぐ貴方に逢える。
もう一度、貴方と恋ができる。



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あきゅろす。
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