スタリオ 新 Side Lion ―――言葉には、人を縛る力がある。 それが、スタンみたいな純粋な奴なら尚更。 「一生僕だけだって誓える?……僕は、一生スタンだけを愛すると誓うよ」 首に腕を回し、意味ありげに笑ってやると、スタンは真剣な顔で言った。 「ああ。俺も、一生リオンだけだよ…!」 そして太陽のように笑う顔をみないように俯いて、僕は妖しく笑む。 どうせ僕は、この旅が終わったらヒューゴの陰謀の片棒を担ぎ、死ぬんだ。 もし生き永らえて、ずっと愛しているのは無理かも知れないけど、そんな短い期間ならきっと大丈夫。 それが、こいつはどうだ? 僕が死んだあとも、僕への誓いを果たし続けなければいけない。 僕の死後、ルーティと結ばれたって僕は構わないさ。 けど、こいつは僕を裏切った罪悪感を背負いながら生きなくてはならないんだ。 なんて面白い話なんだろう。 僕は、裏切りと死と誓いによって、アイツの心で強い存在になれる。 生きていればきっと心変わりもするだろうが、死というものは忘れられないものだ。 僕はずっとスタンの心の中で生き続ける。 ずっとスタンと一緒にいられる。 ほら、姉さん。 僕の勝ちだよ…。 [次#] [戻る] |