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私はエクソシスト
日常 1
本部司令室にて――――



「室長ぉ、リンから報告の電話です」



「はいはーい、もしもし〜?」





コーヒーを片手に現れたコムイはリーバーから受話器を受け取る。





[あ、もしもしコムイさん?]



「やあ〜リン。
報告待ちくたびれたよ〜。
どうだい任務のほうは〜?」



[うん、大丈夫。
ちょっと手こずったけど、今朝無事にイノセンス回収したから。
明日には帰れるよ]





受話器から聞こえたその声に、コムイも他の科学班の皆もホッとため息をつく。





「そうか。
いい報告が聞けてよかったよ。
怪我はしてないかい?」



[あー…なんか怪我っていうか…
イノセンスの使いすぎかな?左手が動かなくて…帰ったら見てくれる?]



「ああ…わかった。
気をつけて帰っておいで」





そう言うと、書類を運んできたリナリーが現れる。





「あ、リナリーに代わるかい?」



[あ、うん。代わる代わる]




リナリーに、
「リンだよ。イノセンスは無事回収したそうだ」
と言いながら、受話器を渡す。





「もしもし?リン?」



[リナリー、ちょっと久しぶりだね。元気だった?]





呑気なリンの声に、リナリーは語気を強める。





「元気だった?じゃないわよ。
心配したでしょ?一週間も報告しないで」



[ごめんごめん。
手が放せなくてさー。
ま、任務は無事終わったから安心してよ]






そう言うと、リナリーも笑って、「うん」と言った。

いつが今生の別れになるとも知れない中、仲間の無事は何よりの吉報だ。





「あ、そうそうリン。
少し前に新しいエクソシストが入ったわよ」



[マジ!?やったじゃん。
男?女?]





新しいエクソシストとはアレンのことである。





「男の子よ。私達よりひとつ年下。
即戦力だから、来た次の日から任務にかりだされたわ」



[へぇ〜!
うーん…年下かぁ…イケメン?]





少し考え込むリナリー。
二人とも、コムイが近くにいることは忘れている。





[…黙り込むってことはそうでもないんだ??]



「えっいやいや!
うーん…イケメンと言うよりは、綺麗な子ね。
礼儀正しくて、常に敬語だしね」





リナリーの言葉に、リンは驚く。





[へぇ〜!今時そんな男の子いるんだー…
15才っていったらてっきりデイシャみたいな生意気の極みみたいな奴かと思ったけど…]





その台詞にリナリーはふふっと笑う。





「あさって歓迎パーティーだから、リンも明日にはちゃんと帰ってきてね」



[パーティーこれからなんだ?
了解!明日中に絶対帰るから]



「うん。じゃあ、待ってるわ。
おやすみ」



[おやすみ〜]





ガチャン、と電話を切ると、リナリーはため息をつく。





「まったくリンってば…
人の気も知らないで、いっつも心配かけるんだから…」





心配しては、"ごめんごめーん"と言って笑う姿に安心する。





「まったくだよ。
しかし、あの任務を一人で何とかしてくれるとしたら、リンしかいなかったからね。
助かったよ」





コムイの台詞に、リナリーも苦笑する。





「それは分かってるけど、もうちょっとこっちの気持ちも考えてほしいわ。
リンはイノセンスに頼りすぎなのよ」





リナリーの言葉に、書類を運んできたリーバーが付け足す。





「まぁリンはもうかれこれ10年くらいイノセンスと一緒だからなぁ。
仕方ないっちゃ仕方ないんだろうが……

って室長ぉ!どこ行くんすか!!仕事してください仕事!」





すたすたと去っていくコムイを追いかけるリーバー。

リナリーはそれを見届けて、





「リンのイノセンスに頼り切ってるのは、私達も同じよね…」





と、呟いた。



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あきゅろす。
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