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バレンタイン
アレニル編
「う、ん…」
アレルヤは寝苦しさを感じて夜中に目を覚ました。

うっすらと月明りの差し込む部屋で、アレルヤはぼんやりと辺りを見渡す。
(身体が、重……い?)
疲れて、帰宅して直ぐにベッドへ倒れこんだまでは覚えている。
身体が重く感じるのも、疲れているせいかと目を閉じかけた。
次の瞬間、アレルヤの目はバッチリ覚醒した。


「ニ、ニール!?」


「あ、起きた?」
アレルヤは思わず絶句する。
自分の腰の辺りに乗り掛かっているのは、間違いなく恋人その人だ。
シャツは殆ど脱げかかっていて、白い肌が月明りで輝いて見える。

「な、何してるんですかっ!」

アレルヤが激しく動揺しながら問うと、あっさりと答えが返ってくる。
「夜這い?」
「夜這い…っ?」
クラクラと眩暈がする。
今まで一度もこんなことなかった…と思う。
アレルヤは額を押さえた。
「また、なんで夜這いなんて…」
「だってさ、せっかくのバレンタインデーなのにアレルヤ全然帰ってこないんだもんな」
むーっと拗ねた様に言うニールにアレルヤは漸く気付く。
「バレンタインデー…忘れてた」
今まであまり重要視していないイベントだったため気付かなかったのだ。


「だからやけにチョコを…」


ポツリとアレルヤが呟くと、ニールがヒクリと引きつった笑みを浮かべた。
「やけにチョコを…なんだって?」
「あ、え、いやっ」
自分の失言に気付いてアレルヤは吃る。
ニールはアレルヤの上に乗ったまま腕組みをした。
「俺より先に、他のチョコ貰ったわけじゃ……ないよな?」
「う…」
アレルヤは完全に言葉に詰まった。
少し早めの誕生日?くらいにしか思わなかったので、簡単に受け取ってしまったのだ。
「すいません……」
謝るしかない、と申し訳なさそうに頭を下げる。
しかしニールは眉を寄せてアレルヤを睨んだ。
「……やだっ」
「やだって…」

(可愛い……)

怒られているのに、不謹慎にも『可愛い』と思ってしまう。
「えっと…でも、まだ食べたわけじゃ…」
「もういいっ!」
「うわっ」
ニールはアレルヤの言葉を遮って、彼の襟元を掴む。
「ムカついたっ!」
「ニ、ニール」
ニールはアレルヤのシャツのボタンをプチプチと外し始めた。
これ以上不機嫌にしたくなかったので、アレルヤはニールのしたい様にさせる。

「これ、ライルに貰ったんだ」

そう言うと、ニールは小さいチューブを取り出した。
アレルヤはなんだか嫌な予感がして、恐る恐る聞いてみる。
「なんですか?それ」
ニールはニヤリと笑ってキャップを開ける。
辺りに甘い香りが広がった。
「これは、ホワイトチョコシロップ」
「………まさか」
「これでアレルヤをデコレーションしてやる」
「やっぱりー!」
アレルヤは真っ青になって後退る。
そして助けを求めるように声を上げた。
「ハレルヤはっ!?」
「ハレルヤはうちでライルと(たぶん)よろしくヤッてます!ここには俺らしかいません!……朝まで」
ニールは素敵な笑みを浮かべて言った。




「だから諦めろ」




***



「あ……っ」


鎖骨を伝わって胸の突起に感じたトロリとした感覚に、アレルヤは小さく声を漏らす。
「ん……」
ペチャリ、とニールが白くて甘いその滴りをアレルヤの乳首に塗り込む。
「……っ」
そしてその指を見せつける様にして舐めた。
「なんだ…アレルヤも感じるんだな、ここ」
つん、と真っ赤になった突起にニールは笑った。
「可愛い…アレルヤの、乳首」
チョコの白さが、突起の赤さを浮き立たせている。
「ん……」
ニールはじんわりと自分の下着が濡れたのがわかった。
「食べたい…」
チョコで飾られた乳首に舌を這わせると丁寧に愛撫を施す。
「んぁ……んん、」
「ニー、ル…っ」
「ん……ん」
「……ぁっ」
堪らずに身体を震わせるアレルヤに、ニールは更に追い討ちをかけた。
「んん……ちゅ」
ちゅーちゅーと音を立てて吸い上げると、アレルヤは真っ赤になってニールの肩を離した。
「あ…っ」
流石に力では勝てずに、ニールはよろけた。

「こん、な……」

涙を浮かべてアレルヤはニールに言う。
「こんなの、したくないっ」
「……」
アレルヤが思わず怒鳴ると、黙っていたニールの瞳から涙が零れ落ちた。
その悲しそうな表情に、アレルヤは戸惑う。
「だって…」
ニールはポロポロと泣きじゃくる。

「ずっと、待ってた、のに……」

「あ……」
アレルヤはベッドの下に落ちている小さな箱を見た。
それはきっと…ニールから自分へのチョコだったのだろう。
「ごめん、なさい」
「……っ」
アレルヤはニールを優しく抱き寄せた。
腕の中で震えるニールの背中をゆっくりと擦る。
「僕が、悪かったです…」
きっと楽しみにしながら待っていてくれたのに。
(ニールが自棄になるのもわかる)

「泣かないで」

アレルヤはニールの目尻に溜まった涙を吸い取る。
それから頬に唇を落とした。
「ニール…」
ちゅ、とキスをすると泣き腫らした目でニールがくすぐったそうに笑った。
「くすぐったい…っ」
「ニール…」
アレルヤはほっとして、その身体を抱き締めた。
「ごめんね?ニール…」
「俺も、ごめん」
二人ではにかんだ笑みを見せ合う。


「ホワイトデーは忘れるなよ?」
「はい」
「来年も…バレンタインデーはあるんだからな」
「はい」
「じゃあ、続きしよ?」
「はい…………えっ?」

ドサリとアレルヤは再びベッドへと押し倒された。
「ちょっ…、ニール!?」
「ん……」
ニールはチョコシロップを自分の手の平に垂らす。
そして、ゆっくりとアレルヤの腰から…下着の中へと手を差し込んだ。
「……ぁっ」
ビクリとアレルヤの身体が大きく跳ねる。
ニールは手に感じるアレルヤ自身の熱さに、自分の身体も熱くなるのを感じた。
「あぁ……アレルヤ…」
「ニ、…ルっ」
ニールはアレルヤの性器を下着から取り出すと、チョコの滑りを借りながら擦りあげる。
ぐちゅぐちゅという音が耳を刺激した。

「あ…アレルヤの…おっきい…っ」

ドクドクと手の中で膨らむそれに、ニールはうっとりと唇を寄せた。
そして愛しげに尖端を軽く吸い上げる。

「ああ……っ」

その瞬間、それは弾けてニールの顔を汚した。
あまりに呆気ない射精に、ニールは茫然とする。
ゾクゾクと何が身体中を駆け抜けた。
「ご、ごめんなさいっ」
慌ててアレルヤは蜜を拭おうとするが、ニールはピクピクと身体を痙攣させて蕩けた顔でアレルヤを見た。
「あぁ…んっ、濃い…っ」
トロトロと白濁を纏いながら悶えるニールにアレルヤは息を飲む。
「あまぁい……アレルヤの…っ」
ペロリと顔にかかった蜜を舐めると、ニールはアレルヤにもたれ掛かった。
「も…だめ…っ」
「え?」
「あ…ぁ…あれるやぁ、熱い…」
いつの間にかニールの性器からも蜜が溢れている。
「触って…っ、」
ニールはアレルヤの腹にそれを擦りつけた。
「ニール…っ」
ベタベタになったニールの性器をアレルヤは掴んで、上下に動かす。
「ひっ……!」
飛び散る蜜が二人の腹を汚した。
濡れた粘着質な音はどんどんと大きくなっていく。
まるで重なった肌が溶けているようだ。

「あああっ!いいっ!いい………っ!」

ニールはアレルヤの手の動きに合わせて腰を振る。
「ニール……っ」
ニールの痴態に、アレルヤは再び股間を熱くさせた。
「やぁあんっ、イク!イッちゃうっ!」
「……っ」
アレルヤは自分の性器とニールの性器を纏めて掴むと、一気に激しく擦り上げる。
「ああ…ああぁっんっ、あれるやぁ!熱い…っ!」
「僕も、……っ」
アレルヤはギリッとニールの性器の尖端に爪を立てた。
パクパクと口を開いていたそこから、大量の蜜が噴き上がる。
「………っ!!」
ニールは目を見開いてのけ反った。
「ひ………っ」
ドクリドクリと、身体の一部が濡れたのがわかった。


「は……ぁ」
ぐったりと崩れ落ちるニールの身体を、アレルヤはそっと受け止めた。




***




「こんなに貰いやがって!」


さっきから、ニールはアレルヤの鞄を振り回し不機嫌になっていた。
アレルヤは困ったようにオロオロとする。
なんとか機嫌を直してもらいたい。


「えっと、ニールからのチョコは?」


ニールがピクリと反応する。
「…欲しい?」
「勿論です」
にっこりと笑ってアレルヤは頷いた。


「はい」


「…これは」
渡されたチョコレートはなんだか紫色の凄いラッピングだった。
しかも…卑猥なイラストが描いてある。
嫌な予感……この予感はさっきも感じた気がした。
「まさか」


「媚薬入りチョコ」


「なんで普通のチョコじゃないのっ?」
「インパクト?」
それからさっきまで使っていたチョコシロップも渡される。
「これとこれで好きにしていいぜ」
この後に及んで『何を?』とは言えない。
「あの」
それでも、なんとかしようとアレルヤは口を開いたが。


「ベタベタの…ドロドロに、して」


「!」
ぼぼっと真っ赤になったアレルヤは、何も言い返すことが出来なかった。


「あ、この貰いもんのチョコは没収な」
「はい……」



(バレンタインデーは二度と忘れない)

アレルヤはそう心に誓った。





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襲い受け(笑)
アレニルは本編がプラトニックなのですが、たまーにこんなことはしてます(笑)



三日間有り難うございました<(__*)>




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