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バレンタイン
ライニル編
ニールはライルの部屋のベッドに腰掛けながら身体を震わせていた。


「今日…バレンタインだよな?」
「うん」
「チョコくれるって、言ったよな?」
「うん」
ニールはライルに手渡された(さっきまで可愛くリボンでラッピングされていた)箱をベコリと握り潰した。
「なんだよっ!これはっ!」


「チョコレート味のコンドーム」


「爽やかに言うなっ」
ニールはライルに向かって箱を投げ付けた。
「最近は色々味が付いてるんだね」
ライルはにっこりと笑いながら、箱を開けてベラベラベラと蛇腹になっているそれを取り出す。
「リアルなチョコレート味、だって」
そしてピンクと茶色で書かれた文字を読み上げた。
「良かったね、ニール」
人事のように言うライルに、ニールは思わず突っ込む。

「お前っ、ナマ派だろっ!」

(いつも生で中出しのくせにっ)
するとライルは、しれっと返した。
「だって、ニールが『中で出してっ』て言うから」
ゴム付けてたら出せないだろ、と言われてニールは真っ赤になった。
「俺…っ、そんなことっ」
「記憶無い?」
ライルはニールの横に座ると囁くように言った。
「いつも気持ち良くて…忘れちゃうんだ?」
「!」
その言葉にニールは顔が熱くなるのを感じていた。
潤む視界でライルを見ると、微かに唇に温かいものが触れた。
「ん…」
ちゅ、と唇が濡れた音をたてて離れる。
「ライ、ル…」
ニールが震える手でギュッとライルの服を掴むと、ゆっくりと抱き締められる。
甘える様に擦り寄ると微かな笑い声が聞こえた。
「したくなっちゃった?」
「……うん」
「可愛い…ニール」
「んん…キス、して」
ニールは舌を出してライルを誘う。
ライルも誘われるままに自分の舌を絡ませた。
「う…んん」
ペチャペチャと湿った音が響く。
密着している身体に熱が集まるのがわかった。
「はぁ…ん…ん」
ライルの舌に翻弄されながら、ニールも必死でキスをする。
「ん…ん…ぁ」
その間にライルはニールのシャツのボタンを外し、自分のズボンの前を寛げた。
「ん…あ」
ライルが唇を離すと、ニールが物足りなそうな表情をした。
唇はグロスを塗ったように艶めいている。


「せっかくだから、これ試そうよ」


ライルはチョコ味のコンドームをピラピラとニールに見せた。
「まずは勃たせてもらわないとね」
ライルはニールの唇を親指で撫でた。
「この可愛い口で」
(…お前も同じ造形だろ)
ニールはそう思ったが口には出さない。
覚悟を決めてベッドから降りると、ライルの足の間に割り込んだ。
「…っ」
それは既に僅かに膨らんでいて、ニールはゴクリと喉を鳴らす。
それからゆっくりと下着を下ろして、おずおずとライルの性器を取り出した。
「あ…」
それだけで身体がゾクリと粟立つ。
手の中には生暖かいライルの性器がある。
まだ芯のない、柔らかいそれをニールは恐る恐る口に含んだ。

「ん…ん」

ニールはじんわりと自分の股間が濡れたのがわかった。
いつもライルのモノを口に含んだだけで、どうしようもなく感じてしまうのだ。
「ふ…、んんっ」
形に沿うように舌を動かす。
片手は添えるだけ、もう片方は上下に茎の部分を擦る。
「ニール…」
ライルがピクリと反応した。
性器もドクドクと脈打つ。
ニールは嬉しくなって夢中でライルに舌を這わせた。

「んぐ……んんっ、んん…」

ライルの性器は徐々に硬く大きくなっていく。
はあ、とライルの口から吐息が漏れた。


「んん…んっ、んん…」


じんわりと苦味を感じてきた頃、苦笑混じりの声が頭上からした。
「ニール…あれ、付けてよ」
「あ…」
本来の目的を忘れていた。
しかしニールは首を横に振る。
「やぁ…、ライルの…飲み、たい」
「駄目」
「んん…っ」
「後で、飲ませてあげるから」
そう言ってライルはコンドームをニールに手渡した。
「…ホントに?飲ませて、くれる?」
「うん」
渋々ニールはガサガサとコンドームを取り出し、ライルの性器の先に被せる。
「はぁ…」
そしてそれを口に咥えて、一気に填めた。
「んん…んっ」
ニールの口に寄ってコンドームは綺麗に装着されていた。
ゴムに塗られていたペトリとした粘液がニールの口内に広がる。
「良く出来ました」
「ライル…」

ニールはとろんとした顔で、コンドームごとライル自身を舐める。
直ぐにニールの口には治まりきれない大きさに膨らむ。
「んん…」
「美味しい?」
「あぁん…チョコの味、する」
そういえば、チョコレートは昔媚薬として使われていたのだ。
そんなことを思い出した。
そのせいなのか、ニールは既にベタベタの自分の下着をズボンごと脱ぎ捨てた。
そしてベッドに攀登る。
「ライル…、これ…入れて…」
指を咥えて御ねだりをするとライルは微笑を浮かべる。
「ゴムは付けたまま?それとも外す?」
「どっちも」
「欲張りだな」
「ライルこそ…一回で、いいの?」
「まさか」
ライルは苦笑するとニールを押し倒した。
そして、ピンク色に収縮する再奥へと指を伸ばす。
「ひぁ…っ」
ぐちゅり、とそこは簡単にライルの指を飲み込んだ。
「もうニールの中…柔らかくなってるよ」
ぐちゅぐちゅと掻き回すように中を探ると、ビクビクとニールの身体が痙攣した。
「あっ、あっ、…弄ったら、イッちゃうっ…出ちゃ、うっ」
「いいよ、何度だってイカせてあげる………、でも」
そう言ってライルはベッド上に転がっていたコンドームを手に取ると、ニールの今にも爆発しそうな性器に被せた。
「な、んで」
ギチギチとゴムが軋む音にニールは泣きそうになる。
「ニール、いつもシーツぐしゃぐしゃにするでしょ?」
「んん…っ」
「これなら汚れないから…沢山出していいよ」
ライルはニールの性器を揉み混む。
すると後ろの蕾が更に柔らかくなった。
「あぁ…んっ」
「気持ち良くなって、いっぱいいっぱい出そうね」
「出すっ…出しちゃう、からっ」
コクコク、とニールは頷いた。
「早く…入れてっ」
ポロポロと涙を零す。


「おおきいの…いれてっ」


「ん…」
ライルはニールの腰を掴むと、徐々に中へと進入していく。
「あ、あ、あ…」
ガクガクとニールの身体が震える。
ライルは一気に奥まで腰を叩き付けた。
「うぁ…っ、ああんっ」
とぷとぷ、とニールはゴムの中に精液を放った。
ぐったりとベッドへ身を預ける。
「もう、イッたの?」
「は…ぁん…」
「そんなんじゃ、直ぐに漏れちゃうよ?」
「んんっ」
ゆるゆると中を擦られるだけで、またニールは股間を熱くさせた。
「やぁ…ぁん、もっと、…出したいっ」
段々根元をゴムがきつく締め付ける。
ニールは涙を零しながらライルに言った。
「取って…」
「我慢して」
ライルはニールの懇願を無視すると、激しく突き上げ始めた。
「ああんっ!だめっ、だめ…っ」
突かれる度に性器に蜜が溜まっていく。
「ニールの中…きゅうきゅう、締め付けて来るよ」
「あ…あぁ」
「ここも、真っ赤だね」
ニールの性器をライルは握り混んだ。
「ひっ…」
ビクリと身体が弓なりになる。
「ゴムの先に…たくさん溜まってる」
抓るようにライルはニールの性器を弄ぶ。
「あああっ」
ニールは我慢出来ずにドクドクと更にゴムの中に精液を放った。
その間も結合部からは卑猥な音が聞こえていた。
「あ、あ、あ!ライルっ」


チョコレートの甘い香りがする。
その香りがまるで麻薬の様に染み渡る。


ニールはたまらず被りを振った。
「も…っ、死んじゃうっ!ライル…っ、気持ちい…っ、ああんっ」
ぎゅうぎゅうとライルを締め付けると、ライルは強まる射精感に唇を噛み締めた。
限界が近い。
ライルはニールの腰を支え直した。
「イく、よ…っ」
「うん…っ、イッて…っ」
「兄さん…っ」
ベッドが激しく軋んだ。
「ああ…ぁああっ」
「く……っ」
ライルは寸前で性器を抜くと素早くゴムを取り去った。
そして一、二度自分で擦りあげるとニールの顔に精液を放った。
「あ…あ…っ」
びゅくり、と何度かにわけて降り注ぐ白濁の蜜にニールは再奥が痙攣するのがわかった。
顔にかけられて、ニールも中でイッてしまう。
「あ…あん…」
トロトロと粘りのあるその液をニールはペロリと舐めた。


「…ニール」


ライルはニールの性器のゴムを取り去る。
そしてピクピクと僅かな残滓を零すそこに唇を寄せた。


「あ…だめ…、あ、あ…ぁんっ」


ニールは力無く身を捩るが、程無くして再び部屋に因美な音が響き始めた。




***




「はい」



ニールは差し出されたカップを受け取った。
「これ…」
「ホットチョコレート」
ライルは笑って言う。
「喉にもいいから」
「…掠れてるのはお前のせいだろ」
「ごめんね」



全然真剣味の足りない謝罪に、ニールは内心毒づきながらホットチョコレートを飲んだ。

(俺もチョコ用意してるんだけどな……)


ライルが喜んでくれるかドキドキしながら、ニールはチョコを渡すタイミングを考えていた。





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中途半端ですいません;
結局シーツもベタベタ(笑)




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あきゅろす。
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