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短編+リク(00)
学パロ(選挙)ネタ
「あのさ……」




「え?」
生徒会室の生徒会長用のエグゼクティブチェアにどっかりと座りながら、ニールはポツリと呟いた。
少し離れた役員用のデスクで、パソコンに向かっていたライルは顔を上げる。
「どうした?」
微笑しながら首を傾げる双子の弟に、ニールは気まずそうに眉を下げた。
「そろそろ決まるころ、かな」
「そうだな」


今日は来年度生徒会長を決める選挙日だ。
ニールは一年生のときに生徒会長に選出された。
そして今年度、二年生ながら学園を円滑、とまではいかないがニールなりに纏めてきたつもりだった。


「…………」
「大丈夫だよ、ニール」
「ライル……」
ニールの顔が泣きそうに歪むのを見てライルはハッキリと言う。
「何度だって、お前が受かるよ」
「そんなわけない」
「自信持って」
ライルはいつも不思議に思う。
全てが完璧な兄は、どうして自分の価値に気付かないのだろう。

(弟まで完璧なのに)

そんなライルの思考には気付かずに、ニールは机に伏せてしまう。
「俺なんかが……選ばれるわけ、ない」
「ニール……」


その時、バタバタと廊下を走る音が聞こえた。
ガバリとニールは青褪めた顔を上げる。
「失礼致しますっ!」
ノックもそこそこに飛び込んで来たのは、一年生のアレルヤだった。

「決まりました!」

部屋に緊張が走る。
強張るニールに、アレルヤは頬を昂揚させて告げた。
「ニール先輩が来年度も生徒会長です!」
「ほらな」
「おめでとうございます!」
ライルとアレルヤは、ニールの元へ駆け寄ると賛辞の言葉を次々と投げ掛けた。
「流石兄上っ!」
「圧勝でしたよっ!」
「後で写真撮りに行こうな」



「煩いっ!!」
ニールは目に涙を溜めながらふるふると震えた。






「だからっ!どうしていつも立候補してもいない俺が選ばれるんだよっ!!」






「………………………人徳?」
「なんだよっ!その間はっ!」
うわーん、とニールはまた机に顔を伏せた。
アレルヤがオロオロとその周りをうろつく。
「か、会長?」
「会長って呼ぶなっ!」
「アレルヤー、お茶」
「は、はい!」
のほほんとしたライルの声にニールは拳を握り締める。
お前がやれよ!と喉元まで言葉が出掛かった時、ノックが響いた。
「おい」
「ティエリア」
ガチャリと入ってきたのは役員のティエリアだった。
特にニールに声を掛けるわけでもなく一瞥すると事務的に言った。
「就任の挨拶は」
「ああ、今打ち終わったところだ」
あっさりと答えたライルにニールは目を丸くする。
「おっまえ!そんなの打ってたのかっ」
「ルビふっといたからな」
「五分で暗記しろ」
「なんでっ」
その問い掛けは皆がスルーした。
「無視かよっ!」
「ニール」
ライルはアレルヤから紅茶を受け取るとニールに手渡しながらにっこりと微笑んだ。



「諦めろ」





こうして、曲者揃いのブレーンに囲まれて今年度の生徒会長は生まれたのだった。











‐‐‐‐‐‐‐


他にもメンバーはいたり、全寮制だったり(笑)


ネタはつきません★
しかし、学園物は苦手で……;




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