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短編+リク(00)
【或る一日2】ティエ×子ニル(アレニル前提)
※「1」を先に読む事を推奨致します






ティエリアは自室に戻ると絶句した


「………」


少し部屋を開けた間に、侵入者が我が物顔でベッドに腰掛けている
しかもいつもの姿ではなく、ちょこんと座って子供特有の真ん丸の大きな目でこちらを見ていた


「てぃえりあ!」

グラリと眩暈を感じたティエリアを余所に、小さくなったロックオンは『にぱっ』と笑った
「保護者は何処ですか!」
「保護者?」
ロックオンが首を傾げるとティエリアは苛々したように怒鳴る
「アレルヤです!」
「あーいなかった」
「は?」
「めーさめたら、ハレルヤで、追い出された」
「………」
端的な説明だったが一気に理解出来た
フツフツとストレスが溜まってくる
しかしロックオンは慣れたもので、チョコチョコとティエリアの周りを興味深く観察していた
「ティエリア〜!」
「なんですか」
「抱っこ」
そう言って両手を伸すロックオンに、ティエリアは真っ赤になった
「な……っ!?」
「冗談だよ」
今度は別の意味で真っ赤になる
「万死に値するっ!」
「えー?大袈裟だなあ」
へらへらと笑うのはいつものことで
その掴み所のない笑い方がティエリアは大嫌いだった

(………限界だ)

ティエリアはロックオンに背を向けるとまた外へと出て行く
その行動にロックオンは慌てた


「待てって!」
「………」
誰が待つか、と振り返りもせずティエリアは大股で歩く
とてとて、と子供が走る軽い足音が聞こえるが段々小さく遠ざかっていった

「てぃえ………うわっ!」

声から遅れてビタンと痛そうな音が響く
「ロックオン!?」
流石にびっくりしてティエリアが振り返ると、案の定ロックオンが廊下に倒れていた
「……………」
「だ、大丈夫ですか?」
突っ伏したままのロックオンを起こすと、額が赤くなっている
見開かれた瞳にうるうると涙が溢れてきた


「ふぇ……っ」


ティエリアはぎょっとした
前回の悪夢を嫌でも思い出す
そしてこの状況を誰かに見られたら、また自分が泣かしたと思われること間違いなしだ

「ああ、もう!」

ティエリアはロックオンを抱き上げた
「ふぇ………」
ロックオンは抱き上げられた驚きで涙が引っ込んでしまう
「大丈夫ですか?」
「うん……」
「痛くない痛くない」
片手で軽々とロックオンを抱き上げ、もう片手で赤くなった額を優しく擦る
ちゅ、と額に柔らかな感触がした
「ティエリア……」
ロックオンはぎゅーっとティエリアに抱き着いた
少しピクリと震えた気がするが、床に降ろされないから気にしないことにする

(良いにおい………)

花の様な香りに包まれて、ロックオンはうっとりと目を閉じた




***




「ティエリア!」
「……アレルヤ」
ごめんね、と困った様な顔をしてアレルヤが走ってくる
ティエリアは溜息を吐いた
「ロックオン、寝ちゃったの?」
「ああ」
アレルヤがロックオンの顔を覗き込むと、すやすやと眠っていた

(これで子守から開放される)

ティエリアはロックオンをアレルヤに渡そうとして、胸元に違和感を感じる
「あれ?」
「……………」
ロックオンはティエリアの服をぎゅっと掴んで離そうとしなかった
「ロックオン?」
アレルヤがプニプニの頬をつついても反応がない
「仕方ないな」
「え?」
ティエリアはひとつ咳払いをした
「今日は預ろう」
「ええぇっ!」





数時間後
食堂でご機嫌でプリンを頬張るロックオンと、それを赤い顔で眺めているティエリアが確認された




「ううっ………ロックオン」
「………うっとおしい」




-------


子ニール第二弾です(笑)
書いていて楽しかったですっ!
ティエリアは滅多に書かないキャラなので新鮮でした〜!

何故ティエロクかと言うと、フジムラ様のリクなのでした(笑)



最後のはアレとせっちゃんです!
ティエリアは子ニールのためにプリン常備(≧∀≦*)


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