短編+リク(00) 【発情期2*】ライニル 一ヶ月に一度位の割合で、兄さんには『発情期』がやってくる。 それは女性の生理みたいなもので、予測出来ずいつも突然やってくる。 *** 「………」 連日続く蒸し暑さは堪らない。 俺は帰宅して直ぐにバスルームへと向かった。 この不快感を早く洗い流したい。 俺は汗で肌に貼り付くシャツを脱ぎ捨てると……目線はそのままに言った。 「なに?」 「え?」 間の抜けた声に俺は溜息を吐く。 帰宅した俺の後をバスルームまで追い掛けてきたのは双子の兄だ。 自分そっくりの裸を眺めて何が楽しいのか。 そう思っていたら、ずっと脱衣所で黙り込んで腕を組んでいた兄さんが言った。 「いや、そっくりだなあと思って」 「は?」 「俺達」 思っていたことは自分と同じだけど、なんとなく意味が違う気がする。 「じゃあ、俺シャワー浴びるから」 本能的に危険を感じ、半ば逃げるようにバスルームへ入った俺と同時に、兄さんも入ってきた。 「兄さん!服着たままっ」 「あーどうせ後で脱ぐよ」 そう言って兄さんはシャワーのコックを捻る。 「冷てぇっ!」 いきなり冷水がかかり、心臓が止まりそうになった。 「殺す気かっ!」 「あ、悪い」 兄さんは温度調整をしながらも、俺から離れなかった。 濡れた兄さんのシャツが俺の肌に触れてゾクリと泡立つ。 「………こっちも、びっくりして縮こまってる」 「!」 「かわいい……」 俺は下半身に急に感じた熱にビクリと震えた。 兄さんが背後から手を伸ばして、俺の性器を握り込んだのだ。 「兄さ、んっ」 「んー?」 鼻歌でも歌いそうな様子で俺のそこをやわやわと擦る兄さんに、俺は漸く気付く。 (発情期………かよっ) 冷たくなっていたそこに熱が溜まってくるのがわかる。 「は……ぁ」 くちゅくちゅと濡れた音が耳を犯した。 そんな俺を笑いながら見ていた兄さんが、少しうわずった声で言う。 「ライルも俺みたいな声出るのかなあ、と思って」 「は、あ?」 ヤバい。 兄さんの指が先端の割れ目を擦る度に身体に電流が走るみたいだ。 「さっきまで、鏡見ながら一人でHしてたんだ」 「は」 「ライルに犯されてるみたいだった」 「そ、う」 俺は兄さんの言葉に頷くことしか出来なかった。 「『兄さんのここ…ぐちゅぐちゅだね』て」 「…………」 「ほら、ライルの声だろ」 兄さんの熱い吐息を耳元に感じる。 「凄く、興奮しちゃった」 「兄……さ、」 「変な声、いっぱい出た」 その声を聞きたい。 鏡を見ながら俺のことを思いながら。 性器を曝して擦って。 鏡に白濁を飛ばす兄さんを見たい。 きっと恍惚な表情をしていたのだろう。 今の俺みたいに。 俺は兄さんの腕を掴むと、身体の向きを返った。 同じ高さの目線。 兄さんの目はトロリと潤んで欲情していた。 「ん、ん……っ」 噛み付くようにキスをしながら、俺は兄さんの腰から手を差し入れる。 「んんっ」 声がくぐもり、ビクリと兄さんの身体が震えた。 そこはもうヌルリとしていて、俺も笑う。 挟まない様にゆっくりとジッパーを下ろすと兄さんが頬を赤く染めた。 「あぁ……んっ」 性器を取り出すと、可愛く喘ぐ。 俺は自分のそれと重ねて一気に上下に擦り上げた。 「ひぁ……ああっ、ライルっ!ああんっ!」 「………っ」 性急な追い上げに兄さんは被りを振ったが、俺は既に限界が近い。 容赦なく手を動かす。 「ライルも、独りでHするとき……俺のこと、おかずに使ってくれてる?」 潤んだ目で俺を見ながら兄さんが言った。 その声は掠れて、所々息が上がっている。 「変な声出る?」 不意に、兄さんの舌が俺の唇をソロリと舐めた。 「ん、」 「あ、ライルもHな声」 兄さんは嬉しそうに、綺麗な笑みを浮かべた。 やっぱり、俺と兄さんは似ていない。 -------- ニルライニルな感じですね(笑) 浴場で欲情← [*前へ][次へ#] [戻る] |