どうすれば、この気持ちがお前に伝わるんだろう。
「すき。」
こんなに必死に口に出しても、お前はいつもつれない顔。
「好き。」
どうしようもないくらいお前が好きで、たまらなくて。
男同士だとか年齢差だとか、そんなのとっくにどうでもよくなってて。
お前が俺を嫌いでもいい。
ただ知っていて欲しい。
「大好き。」
俺がお前を好きだって。
だから抱き締める。それで、言葉だけじゃ伝わらない思いが伝わればいいのに。
だけどお前は相変わらずのつれない顔。俺はその頭を軽く撫でてやるしかできない。
「超愛してる。」
なあ恭弥、聞いてるか?
俺はこんなにお前が好きなんだぜ。
応えてなんて甘えたことは言わねーけど、せめて嫌いならちゃんと振ってくれよ。
そうやってつれない顔で無視してねーで。
「恭弥。」
お前のことだぜ?
ちゃんと、聞いてるか?
「愛してるぜ、恭弥。」
体を離して、ちゃんと目を見て言ったのに、それでも恭弥はツンとすましたまま。
なあ恭弥、どうしたら俺の気持ち、お前に届く?
「聞いてるか、恭弥。」
「聞いてるよ」
恭弥はツンとそっぽを向く。
なあ、どうして届かない?
俺は思わず、恭弥の腕を取る。ぎゅうと握ると、折れてしまいそうに細い腕。
「じゃあ、解ってねぇ。」
解ってるなら、もっとちゃんと返事してくれるはず、なんてのは俺のひとりよがりか?
そんなはずねえ。
……俺が本気だって解ってんなら、例えばキモチワルイでもいい、もっと何か、ちゃんとした反応があるだろ?
「俺が誰にでもこんなこと言ってるとか思ってんのかよ。」
本気じゃないなんて思ってんのか?
そんな訳あるか。
「そりゃ、すき、くらいなら誰にでも言えるけど、これだけは恭弥だけだから。」
恭弥の顔を覗き込む。
揺れている漆黒は、期待しても良いってこと?
「愛してる。」
たとえ君が何も応えてくれなくても。