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夏ホラー2007作品集
煩村綾弥「『八日目のウォーターメロン』」
◆煩村綾弥「『八日目のウォーターメロン』」

◆あらすじ
この作品を理解出来た読者は、賞賛に値する(作者談)―――夏ホラーに贈る最大の問題作、登場。


◆キーワード・カテゴリ
スイカ/記憶/言語/儀式/風呂

◆文字数
5010文字(推定)

◆出だし150文字
 八月十五日。
 秋が浮遊し始める盆の真昼に、泡よい乳白色の水の中を漂いながら、遊郭の夜の川辺で冷やされる小玉スイカを思い出していた。
 スイカは、隙間なく澄み渡る水の住処(すみか)に浮きながら、雨女のような冷気を溜め込んでいき、今にも表面を磨いたように川の光を支配している。
 そう、それは夢に違いなかった。故に光や闇さえ、幻だった。―――妄想だった。



◆読者様へメッセージ
夏ホラー2007の企画をいいことに遊んでしまいました。
深く考えずにお読みください。



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