恐怖コラム
秋之さん「二人」
二人
秋之さん
短めで、ホラー小説としての怖さも若干少ないです。ですが心に残る冷たさがあったのでご紹介します。
この作者さんは一人称の語り口がとても巧みで、いつの間にか主人公に気持ちを近づけてしまうのですが、この作品はそのうま味が特に出ていると思います。先を探るような先入観をもった読み方でなく、まっさらな気持ちで読んでいただきたいです。
そうすれば最後、胸が引き裂かれるような切なさを感じると思います。恐怖と悲しみはとても近い部分にあり、痛みを分かちあうことがホラーの根本に存在することを理解する。そんな作品です。
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