恐怖コラム
殺人事件
女は高層マンションに住んでいた。
いつもどおり会社に行こうとエレベーターに乗ると、先に帽子とサングラスをした見知らぬ男が立っていた。
そして女は見てしまった。男のコートに血のようなものがついている。
奇妙だと思ったが急いでいたこともあって、女は気にとめることなく会社へ行った。
その夜、部屋でくつろいでいると、インターホンが鳴った。誰かと思い出てみると、警官だった。
女は玄関に警官を入れた。
「実はこちらで事件があったんですよ。なにか変だと思ったことはありませんか?」
警官はたずねた。女はコートの男のことを忘れていたので、首を横に振った。
警官は帰っていった。
翌朝テレビをつけると、マンションであった事件が報道されていた。
殺人事件だった。女はゾッとした。
だがそれは殺人事件だったからではない。
逮捕された男は、あの警官と同じ顔であったから……。
情報提供・影之兎チャモ
[前へ][次へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!