恐怖コラム 後味の悪すぎるビデオ ある男性が東京の安ホテルに泊まっていた。 そのホテルには100円を入れると一定時間動くビデオデッキと古臭いビデオが何本かあった。 暇つぶしにはなるだろうとビデオをあさっていると、中にラベルのないビデオが。なんだろうと疑問に思いつつ、彼はビデオをビデオデッキに挿入し、100円を投げ込んだ。 テレビに映ったのは邦画でも洋画でもドラマでもなく、ただの片田舎の縁日の風景。誰かがおいていった家族ビデオだろうかと眺めていると、カメラがある少年を捕らえ始めた。 次第にズームインし、少年の平凡な顔がしっかりと確認できるあたりで静止した。そしてごく普通のゴシック体のテロップが、少年の胸元に浮かび上がった。 「彼はこの夜、殺されました」 ビデオはブツンと切れた。 [前へ][次へ] [戻る] |