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恐怖コラム
幽霊騒動
 四国の某所で幽霊騒ぎが起こった。

 しばらくして幽霊の姿が発覚したのだが、それはみかん農家の親父であった。みかん泥棒が近寄らないようにするため、真夜中に親父が白いシーツをかぶって周囲を歩きまわし、幽霊の噂を広めたのである。
 一件落着し、幽霊騒ぎは次第に時の中へ埋もれていった。

 そんなある日、カップルがドライブの途中にその親父を見かけた。
 シーツをかぶってみかん畑をうろうろする親父の姿に運転していた青年は「まだやってるんだな、あの親父」と笑った。しかし助手席に座っていた彼女は「いいから早くいって」と青ざめながら促した。

 近くのコンビニに寄るも、彼女の様子がおかしい。しかたなく青年は「どうしたの?」とたずねた。すると彼女は「どうして幽霊の正体がばれたと思う?」と逆に聞き返した。
「シーツ被ったまま車に轢かれて死んだからよ」

 親父は今も、白いシーツを被ってさまよっているという。




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あきゅろす。
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