恐怖コラム
漆黒の聖母
聖母という言葉を聞いたとき、あなたはどんなものを想像するだろう。多くの日本人は、石像で象られた白い肌の美しい女性を思い浮かべる。しかし世界には、黒い肌の聖母も存在する。
黒い聖母をみる人の中には、その異様な姿からまがまがしいと感じるかもしれない。しかしかのマリアたちは、篤い信仰を捧げられてきた。
キリスト教圏ではしばしば、黒は光のない状態をあらわし、時に罪の象徴とされて忌み嫌われてきた。
しかし他の宗教では黒は必ずしも悪を示す色ではなかった。彼らにとって黒は大地の色であり、生命を生む根源的な色であった。つまり女神の色であったのである。
偉大な大地母神たちの多くは黒い肌として像を造られることがある。黒い聖母の像は、おそらく大地母神の伝承と解け合い生まれたものとされている。
海外で黒い聖母像を見かけたら、あなたは恐怖を感じるかもしれない。
しかしそれは無知ゆえの先入観からくるものである。おののく前に周囲を冷静に見渡してほしい。そして気づいてほしい。そこに地元民たちの、確かな崇敬の念があることを。
情報提供・影之兎チャモ
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