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恐怖コラム
電気
 ある女性が女友達と酒を飲んでいた。
 しばらくすると、女友達の一人が「眠くなってきた」と目を擦り始めた。酒を飲んでいた場所は彼女の部屋であったので、そのままベットに寝かせると電気を消し、酒飲みメンバーは解散することとなった。

 解散してから、女性は女友達の部屋に携帯電話を忘れてしまったことを思い出した。他のメンバーに帰るよう言うと、女性は部屋のあるマンションへと携帯電話を取りに戻った。
 部屋は当然、電気がついていなかった。また、玄関には鍵がかかっていないようだった。
 女性は「ごめんね、携帯電話忘れたんだ。すぐに失礼するからね」と言うと部屋に入り、起こさないように電気もつけず、机に置いた携帯電話をとって立ち去った。

 翌日、女性が女友達のマンションへとたずねると、たくさんのパトカーと警察官がマンションを囲んでいた。驚くことに、女友達が殺された、という話だった。
 恐怖を覚えながらも警察に事情を話すと、警察はある一枚の写真を取り出した。
「犯人は愉快犯でしょう。ところで、この文字に心当たりはありませんか?」
 写真には壁に書かれた血文字が写っていた。そこで女性は息をのんだ。

<電気をつけなくて良かったな>

 そう、女性が携帯電話を取りにいったとき、既に犯人はその部屋にいたのである。暗闇に息をひそめて。
 あの時電気をつけていたら……女性は、確実に。

 情報提供・影之兎チャモ



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あきゅろす。
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